第10目のテーマは ジュリアをどこまで軽量化するか。できるか・・・。


その2(補修と塗装作業)

クルマの下側からも補修をしますのでこのように、クルマごと持ち上げます。できれば、4輪とも上げましょう。安定します。
フロア下には、マフラーが通っていますので、補修の邪魔になります。たこ足から、センター、リアとすべてのマフラーを外しました。どうして、すべて外すの??とお思いでしょうが、写真の部分のボルトが取れませんでした。ですから、エキゾーストのエンジン側のたこ足からすべて外して、下から引き抜いたあとで画像の部分のボルトナットを切りました。
なぜ、外れなくなったか。。。この部分が一番錆びるんです!
毎回、マフラー交換時には、ボルトナットは新品に交換していたのですが、必ず錆びます。ってことで、この作業は、予測していましたので、事前に新品のボルトとナットを購入しています。

しかも今回からは、錆びないようにステンレス製に変えました。初めからそうしておけばよかった。。。。ですが、普通の鉄のボルトナットの3倍くらいの値段します。

画像のように、完全に固着して緩まないので少しだけ緩んだ隙間から糸のこを使用して、真ん中から切断しました!!こういうときには、糸のこが力を発揮しますね!!!よかった。。。
マフラーセクションをすべた外して所です!
画像には、リアのエンドのマフラーが映っていません。

外してみて分かったのは、かなりたこ足部分が重いということ。これは、「たこ足を等長のステンレスにしたらどれだけ軽くなるのか!!」と思いました。4キロは違うかも。。もっとかな。。
これで、作業性がよくなったので、いよいよ補修です。
とりあえず、このような道具を揃えました。

左から、錆び除去剤、FRP用のハケ、ブレーキクリーナー、FRP作成の為のポリエステル樹脂合成液、下がガラスクロス、小分けする容器、シャシーブラック、塗装剥がし液、ガムテープ、はさみ、FRPの形を整えるためのコテです。

補修に仕方には、いろいろありますね。接着方法でどれを選ぶか。溶接によるか、リベットによるか、ボンドによるか、FRPによるか。。。などなど。私は、溶接機を持っていないので今回は、FRPで形成して補修しようと思いました。
フロア下の画像です。ここは、運転席側のフロア下です。
ジュリアは左側にマフラーは通っています。そして、フロントマフラータイコの部分には、フロアとマフラー間に遮熱板があります。同じくセンタータイコにも遮熱板があります。純正は、鉄板にスレートを接着したものが使用されていますが、これは、錆びてボロボロでしたので処分しました。新たに、装着時にアルミで作成する予定です。

処分する前に、型だけは取っておきました。
(その3)レポートのついで作業で掲載しています。

遮熱板とフロア下は、熱と雨水のせいでこのように錆びや遮熱板取り付けネジ部分で大きな穴が開きました。左側の大きな穴がそうです。これもFRPで補修します。
ここは、運転席側のクラッチペダルの下側のフロアを下から見た所です。このも穴が4カ所くらい開いています。この部分は、大きく補修します。
ここは、右のリア席の足下の部分のフロア下です。この部分の穴もすべて補修します。フロア下のアンダコートを剥いで錆びを出来るだけ落としています。
ここは、運転席のアクセルペダル下の部分です。下から覗いて見ると錆びが多かったのでアンダーコートをすべて落としました。穴の裏に見えるのは、室内側から、以前補修してもらった鉄板です。補修した鉄板は、まだ大丈夫ですが、ボディ側の鉄板の錆びが進行していました。ここも下側の鉄板を切り落として大きくFRPで補修します。
基本的には、このような補修をしました。穴の部分を含めると、最低でも3層でガラスクロス繊維を構成し樹脂で固めました。

本来、ボディ面をFRPで補修する場合は、補修面を叩いてFRP形成をする面とボディ面をフラットにするのが普通ですが、今回は、フロア上面へFRP層が1層盛り上がっても問題ありませんのでこのような方法に決めました。3層でサンドイッチ状にすることにより、ボディ剛性を高めることが目的です。
ポリエステル樹脂に硬化剤を数滴垂らして、10分程度で硬化させて補修する方法です。容器に一回補修分を小分けしながら作業します。

ここでアクシデント!この容器、樹脂が硬化し始めると溶けるのです!!容器はなんでもいいわけではありません。

私のこの後、オイル缶の廃材を加工して容器として使用しました。

初めは、硬化剤の量の感どころをつかむのに苦労しますが、すぐ慣れてきます。混ぜたら速やかに作業しましょう!!

休憩は、できませんよ。
まず、このように、穴が開いている部分を上からガムテープで貼ってしまいます。そして、フロア下から穴と同じ形状でガラスクロスを切り、下から樹脂を塗って穴の形状だけ完成させます。二つ上の図でいう、緑色の部分です。

そして、固まってきたら、今度は、青色の部分でガラスクロスを切り、樹脂で下から形成します。そしてある程度したら、このガムテープを剥がして、フロア上側からガラスクロスを貼ります。その後樹脂を塗ります。

赤色部分の形成です。これで、サンドイッチ状にFRPを形成したことになります。ガムテープの粘着は、樹脂層と接着したりしませんので、大丈夫です。
上記部分のFRP補修が終わったところです!
このように、穴が小さい箇所(黒くなっている部分)は、上からと下からのガラスクロス2枚で挟み込んでも充分補修可能です。穴が小さい部分は、樹脂の硬化が少し進んだくらいで穴に埋め込むように塗れば補修できます。

その場合は、穴に垂らす樹脂は、上からの方が作業性がいいです。ですから、硬化するタイミングが重要になってきます。

ハケでFRP形成する際の注意点は、空気を入れないことです。空気が入ると白っぽくガラスクロスが浮き上がったように見えます。その場合は、ハケで突っつくようにして空気を抜いてください。空気が抜けていると、写真のように下の形状が透明に透けて見えるように形成されています。
ここは、大きめの穴が開きました。ここは、完全にサンドイッチ状に形成しました。
ここは、運転席側の遮熱板の取り付けボルトのあった箇所です。錆びが進行して17番ぐらいのボルトが入る穴になっていたのでアルミ板を接着してFRPで形成しています。ここは、フロア下から1層、穴と同じ形状で1層、アルミ板で1層、その上からフロア上で1層で全部で4層になっています。
こちらは、運転席側の足下です。アクセルペダルの下がわです。色が変わって見えるのは、全部FRP形成した箇所です。ここは、大きな穴が開いていたり、遮熱板取り付け穴の腐食箇所もあり、以前のレストア板金の接合部の強度を付けるためにも、全面的に形成しました。補修箇所の強度を増すためにそれぞれの補修箇所どうしもFRPで連結しました。
ここは、運転席側のリア足下のシートベルト取り付けステイ周辺です。ここは、フロア作成箇所とセンターコンソールの継ぎ目で隙間がありましたので、ここもサンドイッチ状に形成しました。
ここは、運転席側のリア足下のドア側を下から見た所です。

ここは、穴が少しだけ開いていただけですが、下側のアンダコートを剥がすと、古い鉄板がボロボロになっており、それをすべて切断しました。すると、きれいに見えているのは、レストア時に叩き出しで作成してあるフロアです。

古い鉄板が生きている所まで、切断を広げて行くとこれだけの大きな穴になりました。上からフロアを作成してありましたので、フロア形状に合わせて下からFRP形成きれいに覆いました。

そして、FRP形成後完全に硬化したところで、プライマーを吹きその後ボディ下からシャシーブラックをペイントしています。内部は、プライマーだけ吹いて、全体のペイントと同時に塗ってい行きます!
そして、いよいよ塗装です!!

ARC第2戦に間に合うようにするには、早く塗りたいのです!

でも、季節は、梅雨。。。雨、雨、雨。。なのです。

そんな中でも、屋根付きシャッター付きのガレージで作業を進めます!!

なんと、これが悪夢を招くとは。。。。。知るよしもなく。。。。
すべての、パネルを塗っていきます。
使用したのは、一回塗りで上塗りも完了する、しかも顔料に防さび効果のあるものを使用しました。

問題は、油性ペンキにするか。。。
水性ペンキにするか。。。。

ここで、105歳じいさまの声が聞こえてきました。
「室内は、水性で塗ってください。」と言われていました。

「室内を油性で塗ると、ずっと、シンナーの匂いで
サーキット場の気温と熱で頭がクラクラになりますよ。。。と。」

でも、雨の日は???と聞くと。

水性でも固まると常時ずっと濡れていないかぎりは大丈夫です。との事。室内に、水が入ったら。拭けばいいだけですからと。

それなら!!ということで、水性ペンキを選択しました。

ここで、色も迷いました。普通は、黒ですよね。
でも、サーキット仕様では、グレーや、水色も見たことあるし。

私は、元々のクルマの塗装が白色だったのもあるし。

白と黒のツートーンって室内もかっこいいかな!と思い。
白色の室内に決定しました。

もちろん、赤でもよかったのですけどね。。。

あえて、外装と、室内関係の色は違う方が、手を加えているって感じがしませんか??
きれいに、塗ることができました。

後は、この梅雨空の中、車庫の中で一日では、乾かないにしても、3日くらいで乾いてくれるだろうと。勝手に予測していたのです!シャッターも締め切った風通しのない中で・・・・。
2日過ぎました。。。全然乾いていません。。。。。。

よーーーく、見ると。。。。。なんか汚いぞ。。。。
なんか、浮き上がってきてないか。。。。


茶色の・・・・・何か・・・・・。
なんか、やばいぞ。。。それから、2日待ちました。。。。

すると。

そこには。

うっすらと、予想した。。不吉な影が・・・・。

忍び寄ってきていました。

。。。。

。。
そして、悪夢の夜は、明けました。

梅雨の時期の貴重な晴れ。。。。。

ガレージからクルマを出すと。。。。

そこには、、、、、、

まるで、キリンの模様のように。。。。

そいつは、すべての面に。。。
この、エラーをみなさんに見せないわけには行きません。

私のトライが犠牲になったのです。。。

みなさんが、同じエラーを起こさないためにも。。。

この真実から目を背けるわけにはいきません。。
何ヶ月も掛けて、行ってきた作業が。。。。

梅雨の締め切った車庫での作業のために。。

作業を急いだが為に。。。
これだけのダメージ。。。

さて、、どうするか。。。。

ずっと、悩んでいる暇は、ありません。

どうするか。。。

まず、この錆びは、どの面から出てきたものか??

鉄の地肌の上からプライマーを吹き。。

そして、塗装した。

実はこの間にさび止めの層を一回塗ればよかったのです。

分かってはいたのですが、この塗料に錆び止め剤配合と書かれたいたから。。。安心してしまったのです。
しかも、絶対にやってはいけないこと!!!

締め切った風通しのない中での車庫内での塗装はだめ!!

そして、新たに行動します。

まずは完全に、この塗装面を乾かします。
なんと、晴れている外で、しかも風通しの良い場所では、
今まで、3日経っても乾かなかった塗装面が、ほんの2時間で完全に乾いてしまったのです!!!やっぱ、太陽万歳!!です!!

そして、錆びの面をサンドペーパーで荒研ぎしました。
塗装面が取れてくるギリギリぐらいでうっすら錆びが見えるくらいまでは、とりました。

その上から今度は、塗装下塗り剤を塗ります。
この作業も新たな展開です。カオチン系の塗料です。
色は、うっすら透明の水色で鉄板面と塗装面の間を完全に保護して、しかも塗装のノリを良くする効果があります。
この作業も初めからやっておけば。。。と後悔しています。
そして、再度、その下塗り剤が乾くのを待ちます!!

炎天下の中、風通しの良い所で!!!下塗り剤は、1時間で乾きました!!!すばらしい!!!2度目の太陽万歳です!!

そして、再度同じ塗料を購入しました。こんどこそ!!予定通りにと願います!!!神頼みならぬ、太陽と風頼みです!!

晴れてる中での作業です!!!なんと、塗ってる側から表面が乾いて行きます!!!お〜〜!これを待っていました!!!

塗り方には、慣れていますのでどんどん作業は進行していきます!
室内の一番遠い箇所から塗ります。リアのパネル部分からドア側へ。それと、運転席、助手席の一番奥からドア側へ。

最後にリア足下のフロアパネルで終了です!!

この作業は、全部で1時間ぐらいで終わりました。
初め塗ったところは、最後に塗った所が終わる頃には、乾きだしています!!!ってことは、錆びが浮き上がる暇がない!ってことなんです!!これが、重要なことなのです!!

やってみて初めて分かることでした!!!
3度目の太陽万歳です!!
日光による、熱で塗装面にも光沢が出てきます!!

塗りすぎると、塗装が垂れてきます!!!

多少の垂れは、個人レベルではOKの範囲です!!!

それが、レース車両らしいです!!勝手に解釈。。。
リアパネルは、前回の初塗り時は、白色でしたが、今回は気が変わりました。ここだけ、黒色で塗ります。

後方視界を良くするために、室内の反射を防ぐために黒にしました。

レースの時は、この状態での走行になります。

ふだんは、純正のボードが付いて、しかもスピーカーが付くことになります。

ガラス面のスクーデリア105の文字もくっきりです!!
あらためて、きれいに塗られたフロントパネルです!
リアシート周りです!
トランクルームです!
トランクルーム奥です!

説明は要りませんね!
きれいに塗れました。
そして、一日経って、室内の配線を行いました。
塗装面は、完全に乾いてしかも、錆びなど。。。

どこにも。。。。

これを想像してました。


感動です!!

きれいな!!!真っ白です!!!
一番、気に入っている角度の室内です!!!

レーシーな室内になりました!!!

ドアの内張も軽量化しました。

そして、内張に付いていたドアを開ける持ち手が無くなった関係で新たに自作した、持ち手!!!これこだわりの一品です!!

かっこいいですよね!!!レーシーですよね!!

GTA風のドア持ち手ですよね!!!室内側ですけど。(笑)

自己満足です!!
配線も、きれいに引き直しています。

2000GTVは、センターコンソールカバーにヒーターレバーと、ワイパー配線とヒーター配線のトグルスイッチがあります!

これも、いつか元に戻せるようにボルトオンで設置しています!

センターコンソールに穴を開けてスイッチを付ければそれで終わりと思うのが普通ですけど。穴を開けたくないのです。

ですから、センターコンソールカバーの取り付け穴を利用してステイを作り、そこに配線を引っ張り、しかも見栄えの良い感じにデザインしました。しかもコストも抑えて。。。。

これは、私のこだわりのデザインです!走りには影響ありません。(笑)

ヒーターコックレバーがシフトレバーの左側にあるのが純正ですが、これをそのまま設置すると、アクセルワークの邪魔になります。レース中は命取り。。。ですから、あえてシフトレバーの奥にステイを作り、横向きに置き換えて自作しました。

詳しくは、ついで作業の(その3)で説明しています。
かく、フロアパネルには、軽量なダンパネを敷いています。
汚れ防止です。もちろん、レース時はさっさと、取ります。

シートベルトも装着して、アンテナ配線やスピーカー配線もまとめています。

助手席から赤黒の大きな配線が後方へ行っていますがこれは、バッテリーをトランクに移設した関係で配線が見えます。
直接、スターターへ配線が回っています。

始動性抜群です。
少し、暗くて見えにくいですが、シフトの前にヒーターレバーのステイを上から吊して固定しました。純正と同じヒーターコックの説明の矢印や色も同じようにシールで自作して貼りました。
こだわりです。(笑)こちらも純正カバー設置時にはすぐに元に戻せます。

それと、ワイパーとヒーターファンのトグルスイッチをシフト手前まで持ってきています。操作性重視の為手元へ。レース中でも操作出来るように。

しかも配線を途中で繋いでいますので、ノーマルに戻しても配線を簡単に設置できます。
トランクルームの塗装が終わり、乾いた後で、今度は、逆にマスキングをして、燃料タンクを黒で塗り直します。少し剥げかけていた表面がきれいな光沢に変わり良い感じです。

アンテナ配線や、燃料タンク配線、リアライトの配線もきれいにします。
以上で、補修と塗装編は終了しました。この作業を行うにつれ、ついでにいろんな細かいこともやってみようと思うことがいっぱいありました。走りに直接関係ない所がほとんどですけど、参考までに(その3)で掲載します。

それと、今回一番自分でも知りたかったこと。内装を軽量すると何キロ減るのか???
純正走行時からの軽量化も同時に比較掲載してみたいと思います!また、軽量化にいくら掛かったのか?  (その2 完)

その3へつづく!

(その3)も見る!