第8目のテーマは 強化エンジンマウントを付けてみる。おまけ作業付き 


 

 なんで、強化エンジンマウントを付けるかというと。。。そういう状況になったから。。

初めて、レースに参戦したときのこと。エンジンマウントのへたりが原因で急制動時に

ファンがラジエターシュラウド(ファンの効率をよくするために、ラジエターの後ろに付ける

カバーのようなもの)に干渉してしまい、シュラウドが割れ、ファンも羽根が一枚折れて、しかも折れたファンが

ボンネットを下から突き上げて、ボンネット上部の塗膜が2cmぐらい割れるほどの勢いで飛びました。

そのときは、ファンの対角線側の羽根を糸のこで切り落としてバランスを取って、決勝を走り抜きましたが

これは、やばい。ということで早速、エンジンマウントを交換しようと思いました。どうせなら、強化品を。

ここでは、マウントの交換方法とついでの作業として、キャブのOHをしましたので

それを少しだけ公開します。(あの液体に浸けてみたのです。)

私の車、2000GTVの左ハンドル仕様のエンジンマウントを交換する手順です。もちろん、他の車種でも応用は利くと思います。参考になれば幸いです。

写真はありませんが、まずなるべく水平な所でフロントにウマをかけます。ジャッキがオイルパンの下に入る場合はそのままでもいいですが車高が落ちている場合は無理と思います。

そして、サイドブレーキを引いているか必ず確認してください。
エンジンを上げますので片寄ったりして、大事故になるかもしれません。

左画像は、エキゾースト側左側のエンジンマウント(以下、EX側)です。EX側にバッテリーを積んでいる場合は、まず、バッテリーを外してください。作業がしやすいように初めから外します。
左画像は、キャブ側右側のエンジンマウント(以下、キャブ側)です。こっち側は、キャブをはずします。

キャブを外した後は、キャブのインシュレーター側(エンジン吸気側)をタオルなどで異物混入が無いように塞いでしまいます。

エンジンマウントには、キャブを固定するマウントが挟まれていますので、それを、めがねレンチとソケットレンチで外します。

画像は、はずした後のものです。キャブに付けるスロットルバーが垂れ下がっていますが、損傷しないように気を付けてください。

狭くて作業しづらいところになります。6.3ptのソケットや9.5ptのソケット、とユニバーサルジョイント。めがねレンチ、スパナなど、13番を多用しますのであると便利です。

工具があれば、何でもない作業が、工具を持っていないだけで、1日かかる作業になったり、ナットの山をナメることにもなりかねません。
これぐらいの位置で、オイルパンを持ち上げます。かならず、アテ木をしてください。破損の原因です。

ドレンプラグより少しだけ、左側(EX側)に当てます。そうするとエンジンが、だいたいまっすぐに上がります。

エンジンを少しだけ上げます。エンジンマウントにも加重が掛からずしかもボディを引き上げない程度だけ持ち上げます。目安としては、約2cmぐらいでしょうか。。。私は、エンジンマウントを上から覗きながら、足でジャッキのレバーを上下してマウントの動き(ねじれ具合)を見ました。
おおまかな行程としては、EX側を全部緩めて、キャブ側を全部緩めて、EX側を交換して、キャブ側を交換する。という手順です。

まず、EX側です。画像のように13番にユニバーサルジョイントを付けて長めのエクステンションバーを付け9.5ptのレンチで緩めています。これも、工具がある場合は簡単です。

この場合、私の車は、後期ですのでオイルフィルターのカートリッジが短いで作業性はいいのですが、前期だとマウント側にカートリッジが来ていますので、こういう工具じゃないと外せないと思います。それを想定して工具をセットしています。

※注意事項
エンジン側のナット3つとボディ側のボルトとナットはそれぞれ緩めるだけです。絶対外してしまわないように!ナットの山(ピッチ)の半分は入れたままの状態ぐらいで止めておきます。
つぎは、キャブ側のナットです。工具をセットしている所は、13番ソケットにユニバーサルジョイントをセットして9.5ptのレンチで外しました。
ここは、ソケットだけでは、マウントに若干干渉してしまいますし、メガネレンチやスパナでは、スターターが邪魔で回せません。

あると便利なツールです。キャブ側のエンジン側ナット3つと、マウントのボディ側の取り付けボルト1本とナットもそれぞれ、緩めるだけです。ナットの山半分は残しておきます。

これで、すべてのナットとボルトが緩んでいることになります。
そして、エンジンをジャッキで上げていきます。約、3cmほど更にあげましょう。すると、エンジンが上がっていきます。

このとき、前もってキャブ側も緩めているので全体的に引っ張られずに上に上がっていくのです。(コツです。)
ナットで蓋をしているので、上げすぎて位置がずれたり外れてしまうことはありません。

EX側のエンジン固定側のナットを3つとマウントのボディ側2個をそれぞれ全部はずしてしまいます。怖いと思いますが、どうもなりません。
様子を見ながらどんどん上げて行きます。マウントを外しながらギリギリで外れるくらいまで上げて行き、そして外します。
左の画像は、新旧のエンジンマウントの比較です。
この角度からは、そんなにヘタリはわかりませんが。
別の角度です。ノギスで計ってみると、約8mm程違いがありました。私の場合は、こっち側のマウントのへたりが大きかったようです。
振動すると、実際は15mmぐらいは揺れると予想されます。
完全にゴムが劣化して膨れているのがわかります。

今回は、アウトパルコさんから強化エンジンマウントを購入しました(2個セットで17,000円)がもっと予算のある方で、もっと強化品が必要であれば、篠田レーシングさんの所にゴムの部分をアルミで巻いている仕様の物(27,000円)も売ってあります。ご参考まで。
エンジンがこんな所まで上がっている!っていう様子です。
ラジエターキャップよりもエンジンオイルキャップが3cmぐらい上がっています。ここまで上げないとマウントが抜けないのです。

ですから、エキゾーストマニホールドやファンシュラウドなどが干渉しないように注意しながら少しづつ、上げて行きましょう!!!
無事に、EX側の交換が終わった所です。と言っても、完全に締め付けているわけでは、ありませんよ!!!!

エンジンがあがったままですので締まるわけもありませんけど。

位置決めしておきます。ナットを付けて軽く回しているだけです。

マウントのボディ側は、キリかき状になっていますので、マウント固定の下のナットの位置もずれたりしていないか注意しておいてください。
そして、キャブ側のマウントを交換して行きます。
エンジンを凄い位置まで上げていると思いますので、仮止めしているナット付近までエンジンが上がっていると思います。

ここで、エンジン固定側のナット3本とマウント固定のエンジン側も2個すべて、外してしまいます。

こちら側もマウントを揺さぶりながら、ギリギリで外れる位置まで更に少しだけエンジンを上げながら取り外します。

干渉箇所が無いように注意します。

左画像は、キャブ側の新旧マウントの比較です。
キャブ側は、ほとんど高さは変わりありませんでした。

ゴムの劣化ぐあいもほとんどありません。

こっちだけ、前のオーナーが新しいのに変えているのか。。。
ヘタリが少ないだけなのか・・・???

もちろん、私は、同時にマウントを交換しました。

新しいマウントを入れるときに、更にエンジンが上がります。

このときが最大にエンジンが上がることになります。

注意しながら、ギリギリで装着できるくらいまでの高さまで持ち上げておいてナットを付けていきます。
どっちも、ナットを仮止めしたら、少しづつエンジンを下げて行きます。

今度は、下げながら両方のエンジンマウントの固定ナットやエンジン側固定のナットを締め付けて行きます。

このときに、エンジンマウント固定のボディ側のボルトがマウントのキリかき位置にちゃんと合っているかを手で触って確認してください。
下側のボルトは目で見えません。
少しずつ、エンジンを下げてすべてのナットとボルトを本締めして行きます。

キャブ側のエンジンマウントは、始めに取り外したキャブマウントのステイの取り付けを忘れないように!

そして、キャブとバッテリーなど補器類を取り付けて終了になります。

エンジンマウントにキャブマウントが取り付く構造上、エンジンが高くなってもキャブマウントの位置はゴム形状の上ですのでキャブに不具合は無いと思います。スロットルリンゲージ長に多少違いが出る可能性はあるのかな??

今回は、どうせキャブを外すならってことでガスケットキットの交換と
以前、カムカバー洗浄に使った溶剤。KCクリーンユニできれいにしてみます。

キャブを外して、上部カバーもはずします。上部カバーにはフロートとニードルバルブが付いていますので、ピンを抜いてはずします。

この状態で容器に入れて溶剤を挿入します。
液に漬けて、10分ぐらいです。この汚れは!!!と思いでしょうが、これは、前回のカムカバー洗浄時の汚れです。

この溶剤は見た目が汚れていても洗浄作用にはほとんど影響が出ないのが優れものですね。

でも汚れが少し浮き出てきました。
これは、溶液に浸けて、2時間後です。溶液に浸けながらハブラシで磨いていきます。ハブラシで落とすぐらいで簡単に汚れは落ちて行きます。

一昔前は、ワイヤーブラシとブレーキクリーンで磨いていたのですがその時の苦労が嘘のようですね〜〜。

もちろん、一個一個のパーツを外して磨きました。
画像は、ほとんど装着後のものです。
磨いた後の、完成品です。ガスケット類は新品です。

注意事項
どんなにきれいに油分を取っても、バタフライ周りやスロットル類には組み付け時に再度潤滑剤を付けて組み付けています!!
潤いがいる所もあるんです!!
さらに、同調板と、ファンネルを付け、チョークワイヤーをつけ、燃料ホースをつけてスロットルゲージを付けて完成です。

スロットルリンゲージの全快調整のチェックや、同調のチェックもかかしません。

                      いい感じです。

強化エンジンマウントを付けてみての感想です。

回転数がどの回転域でも振動しません。
もちろん、エンジンの振動と言っても、キャブ調整不足によるものが大半だと思います。
キャブの調子を完璧に取ったあと、エンジンを吹かしても問題ありませんでした。っていうか、全然ブレません。
これだけしっかりしているなら、ファンシュラウドをまた付けようかなと、さえ思いました。干渉する心配なさそうです。