ハンドブレーキ(サイドブレーキとも言う)の交換手順は、マニュアルにも詳しくは記載されていません。 私の経験によるもので明記しますので、あくまでも参考にされてください。 間違った手順もありえますので、ご了承の上、参照してください。 今回、ハンドブレーキメインケーブルを交換していますが、左右リアホイールに向かうホイールケーブルは交換していません。 旧車に乗る方は、ブレーキ抜け等のトラブル時に、このサイドブレーキを引くことで止めることが出来ますので、とても大事ですね。もちろん、坂道発進も |
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ジャッキアップして4輪を馬で固定します。 サイドブレーキを解除しておきます。 車内のサイドブレーキレバーの真下にあるのが、左の画像です。 基本は、ここの指差している部分を閉める方向(左側に入っていく)時計回りに回して、ワイヤーの伸びを調整し、サイドブレーキが効く位置を合わせていきます。 今回はここを外して交換していきます。 |
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逆時計回りに回していくと、外れます。画像は、その部分をアップで撮影しています。ネジ山が切ってあります。 | |
矢印部分のナットを緩めます。 緩めると、切欠き部分からワイヤーを上に押し上げて固定ロングナット部分から外すことができます。 新品を取り付ける際は、ここのナットを必ず、ロングナット側まで回して、位置を固定します。 |
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←こんな感じで指差し位置にあったナットを右側のナット位置まで緩めると、ワイヤー部分を上に持ち上げて外すことができます。 | |
←こんな感じで切欠きが付いています。 | |
リアのTアームにサイドブレーキケーブルを固定する金具が 2か所あります。もしかしたら、金属疲労で何度も開け閉めして折れている個体もあるかも知れません。 その場合は、鉄板を切って溶接するか、最悪は結束バンド固定でも可能です。 |
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デフを真後ろから見た所です。 黄色矢印のラインでメインケーブルが通ってきます。 ←ピンク色は、アームを介して左右のホイールケーブルに繋がっています。 サイドブレーキを車内から引っ張ることで、メインケーブルが右側に引っ張られて、両側のホイールケーブルが連動して引っ張られ、両側のブレーキシューが広がり、制動されるしくみです。 |
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逆八の字にケーブルステイが付いています。 ステイを貫通するピンは、割ピンでロックされていますので、これを外していきます。 再利用不可ですので、再度取り付ける際は、新しい割ピンを入れてください。 |
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デフへの固定ナットは、そのままで大丈夫です。その他の割ピンをすべて外して、ワイヤー固定をすべてフリーにします。 | |
とても大事な部品です。この位置でもメインケーブル長を調整できます。 ケーブルは、経年使用すると伸びていきますので、サイドブレーキをいっぱいまで引いても止まらなくなります。 ですので、新品を取り付ける際は、ボルト部分(ねじ切り)をなるべく深く入れた状態で全体を調整することになります。 構造を理解できても、実際はとても難しいセッティングです。 |
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サイドブレーキレバー直下と、ここの固定ナット部分の二か所でしかメインケーブルの調整ができません。 理想的な調整位置は、サイドブレーキを全開に下げた時は、リアタイヤは完全フリーで、60%くらい引き上げた状態で、タイヤが完全にロックするぐらいが理想です。実際は、車体の重さ×坂道の角度分の重量をサイドブレーキで止める必要があります。 |
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これは取り外したメインケーブルの先端側(レバー側)です。 矢印部分が上の画像の切欠きのあるナット部分に入ります。 |
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メインケーブルに連動し、ホイールケーブルがそれぞれ左右のハブに通っています。 ホイールケーブルが引っ張られると、アジャスターがテコの原理でシューを広げて、ローター内部を押し当てブレーキが掛かります。 緩めると、リターンスプリングの力でシューは元の位置も戻り、ロックがフリーになります。 |
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アジャスターの反対側にあるギアは、シューの位置を決める大事なパーツです。 ブレーキシューを交換した場合は、厚みが増えローターに干渉してしまうため、ここを回してシューの張り位置を調整します。 メインケーブルを交換してサイドブレーキを引っ張っても、全然リアタイヤが固定されない場合は、ここまで外してこのギアの調整をする必要があります。 メインケーブルもホイールケーブルも加工不可です。 長さ(張り)の調整は、メインケーブルの2か所のみ あとは、ハンドブレーキシューのこのギアの調整で、左右のホイールの効き具合を調整することになります。 ここまで調整が必要となった場合は、かなり工賃が高くなりそうですが、自分でやったことある方は、その大変さが分かりますね。 ですので、リアキャリパーOHなどと同時にサイドブレーキを交換すると効率よく、きっちりと調整できると思います。 |