重量よりも、最大荷重を合わせました。

ヘッド組立、スプリング荷重測定
(タペットクリアランス調整)


やっと、作業の一つ、一つが「形」になっていきます。

いろんな、こだわりや、加工作業が組み合わさり、トータルなバランスとなっていきます。

一つ、一つの「無駄な作業」「やっても、無意味な加工。

これらを、全部ひとつの「エンジン」に組み上げたとき。。。。

大きな成果として、「体感」するためです。。。。

ヘッドを組み上げる前に、2つの作業をします。

一つは、シートリングへの当たり面の最終チェックです。

シートカット、摺り合わせ時にチェックしていますが、その後燃焼室容積測定時の燃焼室研磨でシートリング保護用のバルブを何度もセットして、回ったりしていたので、ちょっと心配になったためです。

セットするバルブに光明丹を塗り、シートリングに押しつけ回し、バルブ側の光明丹を拭き取って、再度強く押しつけるだけ。(回さない)

異常がないか??をチェックします。
吸気側です。

当たり幅は、1.2mm。完璧な当たり面です。

外当たり気味にして頂いたんですが、少しだけちゃんと、外側に余裕がありますね!

燃焼室容積測定液や、ガソリンを満たしてチェックもしていますので、絶対に問題は、ありません。
排気側です。当たり幅は1.5mmにしてもらっています。

当たり状況もムラなく均等な幅です。

排気側は、バルブの当たり面のど真ん中で1.5mmに、当ててもらっています。

排気側も4本とも完璧です。
ヘッドの加工を追加しています。

今の時点では、必要ありませんので悩みましたが、アドバイス通りハイカム用のカム山の逃げとして、必要最小限度の加工をしています。

今回は、ノーマルカムで行きますが、ガイドの突きだし寸法と同じで、いずれハイカムを入れてもいいように、今の打ちに対策しておくのです。

ノーマルカムのリフト量は、カタログで10.06mm。私は、11mm程度までで充分と考えていますので、現在のカム山から1mm強のクリアランスになる程度でやめています。
必要以上に削ることはしません。リフターのガタつきにも影響がでます。

ヘッドを載せたまま、後で加工するのは切削クズの処理が大変ですよ〜。とのアドバイスを頂きました。

たしかに、その通りですね。今は、ハイカム入れる予定はありませんが、どんどんエスカレートするかもしれないし。。(笑)

バルブリセスの加工が最大のキーポイントですから、リセスの隙間次第では、どっちにしても、またバラすことになるでしょうけど。

基本的にノーマルで、いろいろバルタイを変えながらデータを取って、しばらくは遊びたいですね。
このように、加工が終了しました。

必要に、エア洗浄します。エアーと、クリーナーで何度も切削クズを飛ばします。

内側に面取りしてありますが、その線までの加工に留めていますので、リフターのホールド面は問題ない範囲と思います。
アウタースプリング(左)とインナースプリング(右)をページトップ画像のスプリングテスターでチェックします。

初めは、重量を合わせるつもりでしたが、スプリング重量は、ヘッド側で固定されているため、バルブのストローク重量側への影響としては、さほど影響しないかも。っという判断をしまして、最大荷重の方を揃えることを優先させました。
アウタースプリングの方が、自由長が長いので、アウタースプリングに合わせて、インナーもアウターのストローク長と同じ長さで計測します。

今回の強化スプリングのアウタースプリングの自由長は、平均で53mm。

画像のように、線間密着する手前(1.5mm程度上)でストローク量を決めました。(この時点で分かるデータで逆算しています。)EXH側のバルブ付きだし寸法を42.00mmとした場合。

その時の長さ(高さ)は、25mmです。

ということは、ストローク量(リフト量は28mm)になります。

これは、アウタースプリングの自由長から28mmリフトです。

セット長からではありませんので、勘違いのないように。

最大荷重測定表(目安として)
初期計測時 1番 2番 3番 4番 5番 6番 7番 8番 最大最小の差
アウタースプリング 40.9 41.2 42.3 41.4 42.0 41.9 42.6 41.5 1.7
インナースプリング 22.9 22.3 22.5 22.8 21.4 22.0 21.9 22.2 1.5
組み合わせを何度も変更して、ダブルスプリングで測定し、最大荷重を揃えた。
単位 kgf インテーク側 セット エキゾースト側 セット 最大最小の差
ダブルでセットして
最終合わせ完了
62.4 62.4 62.4 62.3 62.2 62.1 62.0 62.1 INT側  0.1
EXH側 0.2

最大と最小の誤差が大きかったため、全体での最大荷重を揃えるのは、不可能でした。
よって、中間から前と後で振り分けて、インテーク側はバルブ重量が重いので、
最大荷重が大きい側をセットし、エキゾースト側は軽いので、最大荷重が小さい側を
セットすることにより、上記のように、ある程度まで荷重を揃えることができた。

バルブサージングは、一カ所が原因で発生すると、他のバルブは許容でも、
そこから先はサージングを起こし高回転までまわりにくくなるようです。

そのため、今回のように、最大荷重をできるだけ揃える
ことは、サージングを起こす回転域を高速側へ移動させることになり
有効なチューニング対策になると考えています。

この組み合わせ測定に3時間半掛かりました。(>_<)
しかも、スプリングは、一回測定すると、時間あけないと同じ自由長に戻りません
最大荷重を掛けたままにすると、秒単位で計測数値が下がっていきます。
測定は、トライ&エラーでコツを掴むまで相当の時間を有しました。

ちなみに、古いスプリングと強化スプリングがどれだけ違うのか?を
最大荷重で比べてみました。
旧スプリング  アウター  自由長  50mm
インナー  自由長  20.8mm
ダブルでセットして最大荷重を測定 同じように、高さ25mmまで
ストロークさせています。  60.2kgfとなりました。

数値だけで比較すると、約4.5%強化となります。

※ 今回はあくまでも、スプリングのみセットで計測した状態での最大荷重を比較して
います。実際リテーナーにセットされるスプリングは、アウターとインナーでは
セットされる位置がオフセットされているため、より完璧に測定する場合は
アウタースプリングの上にリテーナーをセットして、セット長まで初めに
ストロークしておいて(セット荷重)、そこから、カムのリフト量分をストロークして
(最大荷重)スプリングを組み替えて調整すれば完璧ですね!

今回は、いろんな意味でデータが無かったため、私自身のデータ取りが
目的のようになっています。ご理解ください。<(_ _)>

日本語版のマニュアルに、セット長が掲載してありますが
あれは、どう考えても間違っています。だからこそ、自分のために
データを取りたかったのですけど。。。
ってことで、測定が終わって、インテーク側エキゾースト側に分けて、インナーとアウターをセットにして、バラバラにならないように、クリップで留めて、最大荷重をメモして、挟んで保管していました。

この状態にして、3ヶ月。。。

やっと、ヘッドに組み付ける日が来たって感じです。(笑)
ヘッドを組んでいきます。

一番下に、スプリングシートがきます。

※ステムシールを入れる場合の注意点!!

ステムシールを先に入れると、スプリングシート、ワッシャーを入れられなくなります。

っていうのを表現したかったのが左の画像です。
ステムシールを先に入れてしまったら、左のように、シートの内径とステムシールの外径が同じ大きさのため、入れられなくなり、ステムシールを即、交換になりますよ。間違いないように。

スプリングは、もちろん後からで大丈夫です。
スプリングシートに、専用のワッシャーを一枚入れます。

ゴミなど入っていないように、きれいに洗浄しておきます。

純正品以外のワッシャーを入れる場合は、強度と、内径外径がきっちり合うものを使用したほうがいいですね。

ワッシャーを2枚入れて、セット荷重や、最大荷重を増やして、強化するケースもありますが、その場合は、よく検討しましょう。

カムのリフト量と線間密着は、リンクしています。
カム山の摩耗や、フリクションロスも増加します。
こちらが、社外品というか、代用品というか、対策品と言うようなバルブステムシールです。

私の2000GTVに以前、付けてあったものを探しました。

それは、それは大変でした。(>_<)付いてる車種から、品番まで調べないとディーラーは相手してくれません。

ゴムが緑色の物は、耐熱仕様になりますが、私は、インテークもエキゾーストもどちらにも、緑色を使用します。

ベンツ用になります。
W124用 ディーゼルエンジン603型
部品番号  103 050 00 58  です。


6気筒ですので、インテーク、エキゾーストの6個セットが
2つセット要ります。すごい高価になります。
ディーラーでは、1セット6300円します。
2セット買えば、次回のエキゾースト分がストックできますね。

エキゾーストのみオイル下がりの対策をするのであれば、インテークは、アルファの純正を使用して、エキゾーストだけ社外品を入れてもいいですね。

って言うか、9mmステム用で、高さや外径が同じであれば、どこのでもいいんですよ。私が同じものを探しただけですから。(^^;)
でも、高さはインテーク純正品より1mm高いです。
ステムシールを装着します。

通常、サンデーメカニック的画像であれば、13mmのソケットとかに、ステムシールをセットして挿入するような画像を撮るところですが、それでは、ステムの芯に沿って挿入されたわけじゃありませんよね。極端な話、傾けた状態で挿入していることもあるわけです。

そうすると、ステムシールが正常に機能しない。ってことで、そういうやり方はいけない。と言われる方もいます。

私は、専用のSSTを内燃機屋さんに作製してもらいました。
すばらしいSSTです!!お見せできないのが残念ですが、このツール自体、内燃機屋さんで使用しているものと同じものでして、企業秘密なんです。

ゴム部分をまったく傷つけずに、ステムの芯からズレることなく、ガイドの段差の最後まできっちりと挿入できるもの。
とだけ伝えておきます。

申し訳ありません。<(_ _)>
スプリングをセットする上下方向指示です。

スプリングの線間を観てください。不等ピッチです。

矢印部分が上側と比べて、狭いのがわかりますか?

線間の狭い側を下に向けてセットするのが「正解」です。

これが、私の以前エンジンの状態は、1セット以外は、すべて間違ってありました。(-_-;)

もちろん、今回は、何度も目視してセットしました。これも、バルブサージング対策の一つです。高回転域で伸びない原因の一つとして上げられるものですね。
スプリングを入れて、リテーナーで蓋をして、バルブスプリングコンプレッサーで、外した時と同様にコッターを装着していきます。

ヘッドを傾けて装着していますが、インテークや、エキゾーストのスタッドボルトを装着した状態の方が簡単にヘッドを立てられて固定できます。

ピンセットでコッターを送ってやり、ステムの溝に、はめ込みます。

慣れれば、難しいことじゃないですね。

それよりも、バルブフェイスや燃焼室を傷付けないように、厚紙でガードしてる側に気を使いました。(笑)
バルブアッセンブリーを装着後です。

排気側ポートからの撮影です。

点火10分後には、これが真っ黒になるのか〜〜〜。(^^;)

今は、すばらしい輝きを放っています!!

吸気側もきれいに、完了しています。

バルブが装着された後は、ポート内へのゴミの混入を避けるために、新聞紙を詰めたり、入口をテープで栓したりしましょう。

タペットクリアランス等でバルブを動かしますので、新聞紙を奥まで入れ込んでバルブの動きを妨げないようにしましょう。

バルブガイドの内径と
ステムとのクリアランス
インテーク側
規定値
測定値 エキゾースト側
規定値
測定値
1番 0.013〜0.043 0.015 0.040〜0.080 0.045
2番 0.013〜0.043 0.016 0.040〜0.080 0.043
3番 0.013〜0.043 0.014 0.040〜0.080 0.048
4番 0.013〜0.043 0.015 0.040〜0.080 0.046

バルブガイドは摩耗していましたので、オーバーサイズを加工して入れ直しています。
その時にアジャストリーマーで、規定クリアランスに納めるのですが、私は、インテークは、0.015
エキゾーストは、0.045程度になるようにお願いしました。

その後、実測した結果です。ほぼ、ばっちりの数値で来ていますね!!誤差範囲内でしょう!(^^)

排気側クリアランスは、純正通り、ソジュウム入りの中空バルブを使用するため、熱膨張率が大きいため
インテーク側の倍以上のクリアランスになっています。

そのままでは、冷間時のオイル下がりの懸念が出てきますので、排気側にも、バルブステムシールを装着
するようにしたため、純正指定のガイド飛び出し寸法のままでは、ステムシールを壊してしまう可能性が
ありますので、ガイドの突きだし量をインテーク側と同じ数値に設定しています。

このように、すべてにおいて対応していくことで、計画通りのチューニングとなっていきますね。


バルブ重量合わせ
吸気側 1番 2番 3番 4番 排気側 1番 2番 3番 4番
コッター 2.3g 2.4g 2.4g 2.3g コッター 2.3g 2.4g 2.4g 2.4g
リテーナー 18.6g 18.6g 18.4g 18.7g リテーナー 18.9g 18.6g 18.2g 18.0g
バルブ鏡面後 99.0g 99.0g 99.1g 98.9g バルブ研磨後 85.1g 85.2g 85.5g 85.9g
3点セットでの
重量合わせ
119.9g 120.0g 119.9g 119.9g 3点セットでの
重量合わせ
106.3g 106.2g 106.1g 106.3g
重量差 3点セットでの最大重量差  0.1g 重量差 3点セットでの最大重量差  0.2g 
※  リフターと、インナーシムの重量は計算に入っていません。

以前、バルブ研磨時に、バルブ側の重量合わせを行っています。
同じ重さ(バルブ側重量)を同じ力(バルブスプリング最大荷重)で動かすためのこだわりでした。(^_^)v

バルブリフターと
ボア内径のクリアランス
リフター直径 ボア内径 規定値 計算値 入れ替え後
の計算値
インテーク      1番 34.982 35.015 0.011〜0.052 0.033
2番 34.988 35.020 0.011〜0.052 0.032
3番 34.990 35.018 0.011〜0.052 0.028 0.035
4番 34.985 35.020 0.011〜0.052 0.035
エキゾースト     1番 34.982 35.021 0.011〜0.052 0.039
2番 34.983 35.021 0.011〜0.052 0.038
3番 34.982 35.020 0.011〜0.052 0.038
4番 34.983 35.025 0.011〜0.052 0.042 0.035

上記は、以前クリアランス測定を行った時のデータです。規定値のマニュアル数値が
一桁違っていたのは、修正済みです。

インテークの3番とエキゾーストの4番の計算値が最小と最大でしたので、この2つのリフターを
入れ変えることにしました。その結果、クリアランスは、0.032〜0.039までに収まった。


さらに、今度は、同じ隙間(タペットクリアランス)でカムをリフトさせるようにします。


タペットクリアランス調整


測定の仕方

リフターまでのセットが完了したら、カムを装着させます。
ヘッドのブロック接地面を浮かせた状態で安定するように設置させます。
アルファの場合は、ヘッドのみ単体で組み付け、ブロック側と合体させることが多いようですね。

ここにも、隠されたデータが出てきますが。。。ヘッドボルトを締める前と後では、タペットクリアランスが
変わってしまう。って言うことです。通常0.02〜0.04程度狭くなると言われていますね。

ところが、今度は、エンジンを暖気させると、熱膨張でヘッドが丸ごと膨張して、クリアランスは、広くなる。

0.05mm程度と言われています。ここに、真意が隠されているようです。この件については、
また、詳しく報告すると思います。

ですから、通常冷間でヘッド単体の時にクリアランスをセットすれば、熱膨張率と、ヘッド締め付け
による密着が、ある程度相殺されていくことになりますね。

それも、通常シム調整の誤差範囲は、+−0.03mm程度と言われていますので、誤差範囲内と言って
しまえば、それまでです。

私が、OHを始める最初の方で、「ちょっと、隙間が気になって」という項目で、冷間と温間の数値の違いを
測定しています。もちろん、誤差もありますが(測定する人の感覚的部分)

インテークの4番側が結構伸びていました。。その結果で、水穴加工もインテーク4番側を大きめに加工して
みたりしているのですけどね。。

話が反れましたが、バルブタイミングの一部となる、シム調整。シム厚が変われば、バルブタイミングに
大きな影響があるのはたしかです。作用角、リフト量、オーバーラップ。すべてに影響でます。

ってことで、なにはともあれ。。。って言い方は無責任ですが。。。
4バルブとも、クリアランスを統一させることは、間違いないでしょう!!

測定の話に戻します。

カムは、基本的に一番上死点でセットします。前から見て一番のカム山が外側同士の位置です。
キャップの内側にもオイルを塗っておきます。キャップの打刻番号は、排気側から123吸気4番側
から、456と左周りになります。取り外しの時の画像を参考にしてください。

カム山をへんな位置で装着しようとすると、カムに局部的な力が入ってしまい、脱着時に違和感を感じると
思います。ひどい場合は、ナットが緩んだ瞬間にカムに押されたキャップの力でナットや、ワッシャーが飛んで
無くなったり、ブロック一体の場合は、チェーン部分から落ちて大変なことに成りかねません。
注意力が必要になります。

ただでさえ、排気側の3番キャップは、ボルトがキャップから一番出にくくなっており、装着する場合も
1番キャップ、2番キャップをある程度締め付けないと、3番キャップを締められないため、不均等な
トルクに成りがちです。場合によっては、装着の仕方がヘタだと、カムが回ってくれない程度の抵抗を
作ってしまいます。

私は、1番2番をある程度締め込み、3番にナットをセット出来る程度になれば、3番を少し締めて、
すぐ、1番、2番を3番と同じ程度まで緩めるようにします。(キャップがすべて3mm程度浮いてナットを
手で回せるぐらいの位置)

そこから初めて中心から外側へ、ひらがなの「く」の字のように正体と鏡文字で繰り返し少しずつ締めていき、
最後は、2.1kgf・m(2000の規定トルク)で終了です。

このようにするのが、一番よい。と私は思っています。(勝手に。。。(^^;)

その後、オイルを少し塗り、カム山から完全に避ける方向でカムを回してシックネスゲージを
差し込み記録していきます。。

私は、1,3,4,2の順番で丁度90度づつ、カムの刻みと、キャップの設置ラインを参考に
右に回しながら測定しています。

※シムの測定に便利な表を作成していますので、ダウンロードしてご利用ください!

giulia-sim.pdf へのリンク
↑上のPDFファイルを開けない方は、こちらをダウンロードしてください。


まずは、現在の状況を実測します。
セット長(バルブステム飛び出し寸法)が微妙に変わっていますし、リフターを径方向クリアランスで
入れ替えているため、当然当初とは、変わってきていますね。というより、当初が狂っているので
話になりませんけど。。(笑)

黄色は規定
オーバー
カム 1番 2番 3番 4番 推奨規定値
シム調整前の
実測値
INT 0.470 0.485 0.400 0.530 0.475〜0.500
EXH 0.460 0.590 0.630 0.575 0.525〜0.550
シム調整後のタペットクリアランス測定値
シム調整後の
実測値
INT 0.475 0.475 0.475 0.475 0.475〜0.500
EXH 0.525 0.525 0.525 0.525 0.525〜0.550

※ シックネスゲージにより計測を行い、インテークについては、0.47のシックネスは入るが、0.48は
  入らない状態。エキゾーストについては、0.52は入るが、0.53は入らない。という状況により
  上記の実測値を確定させたものである。

自分で作成した、表に記入しながら、シムの厚みを調整していきます。

下に見えているのは、シムのセットです。
この中から、一番近いシムを選んで、削りながら調整します。

上に見えているのは、内燃機屋さんからお借りした、すぐれもの。ダイヤモンドシャープナーと言います。
極細と、細めをお借りしていますが、細めで30回円を描くように回すと0.03mm程度削れます。

極細で30回程度回しながら削ると、0.01mm程度削れます。

オイルストーンなら、すごい時間が掛かりますが、これならすぐに削れてしかも、研磨面もきれいで、なによりも、研磨面に誤差出にくいことです。

シムの中心と端に誤差のあるものでも、これで研磨すると、面が修正されるほどです。一個5000円ぐらいしますが、かなりオススメです。
シムは、ご覧のように、測定用のSSTを作成しました。

マイクロメーターによる測定では、実際にバルブにセットされる状態との厚みに誤差が出やすいため、このようにダイヤルゲージで測定するほうが、精度がいいようです。

セット後に、シムを回して平面度をチェックすることも可能ですね。

ダイヤルゲージをなるべく、まっすぐに当たるように設置させます。


この方法で、シム調整を行うと、多くても3回以内には、設定シム厚=指定クリアランスにセットできました。

後々で説明しますが、実は、この工程は2回繰り返すことになりました。(^^;)


※画像は、用意しておりませんが、この段階で、ヘッドにカムタイミングテンショナーをセットします。

 ヘッドとブロックを合体させる前に、組み付けた方が楽だと思います。
 テンショナーシャフトは、ヘッド側と接する面を両方共きれいに磨いておきましょう。

 オイルで軽く動く程度まで研磨しておいた方がいいです。(ピカールなどで)

 セットするコツとしては、テンショナースプリングを受ける側のナットを外しておきます。
 外せない場合は、かなり大変です。至難の業でしょう。(笑)

 テンショナーをセットしたら、ナット側から、固定用のパーツ(14mmのボルトの先端につく四角いもの)
 をテンショナーのシャフト部分に差し込みます。それを14mmのボルトで締め込む穴から確認して
 位置決めのピンに装着されたことを確認して、テンショナーシャフトを奥(緩む側)にスライドさせて
 最長の部分で仮止めしておきます。

 その後、スプリングをセットします。すると、少しだけのテンションで、スプリングを受ける側のアルミ6角ナットを
 装着できます。
 
 その後は、テンショナーアッセンブリーをドライバーなどで強く押し込みながら、ロックボルト(14mm)で
 ロックさせて完了です。

 ヘッドの下部から、バルブや、テンショナーのギアが、はみ出ていますので、堅い面に直接置くようなことは
 しないでください。

 パーツは、エンジン分解編のコンテンツ9で確認できます。

追記



※カムをセットして、シム調整を行い、完全にクリアランスを揃えました。

当然、カムの回り具合をチェックしますよね!!!(バルブで突き上げないように、ヘッド下は
浮かせておきます。)
どれぐらいのフリクションでカムが回転するのか??(専用SSTか、もしくはプライヤー等)

すると、インテークは、問題ないんです。。。。。。。。。。でも。。。。

エキゾースト側が。。。。。。(^^;)(^^;)(^^;)(^^;)(^^;)堅いんです。
重いんですよ。。。。すごい抵抗があるんです。まるで線間密着してるかのような。。。。


え。。。線間密着???????なんですと????

そんな、馬鹿な。。。。????

さあ〜〜〜。考えよう!!!!!!!!!!!!!!

どうして、こんなにフリクションに差があるのでしょう!!!!!



ヘッドのスプリングシートの座面が同じ距離だと仮定した場合(そこまで測定していません。(^^;)
セット長は、OH時に計測した距離と同じようにセットしています。
インテークのバルブステム飛びだし寸法は、42.40mm。
エキゾーストのバルブステム飛び出し寸法は、42.00mm。

たしかに、0.4mmエキゾーストの方が狭いけど。OH前のフリクションを知っているけど
こんなに抵抗は無かった。。。

同じ位置に同じスプリングシートとワッシャーを入れている。

ってことは、疑うは、スプリング。。。今回は、強化品としてスプリングを
新品にしている。。。。これは、同じリフト量で同じ荷重に近いものを選択した。

でも、インナースプリングとアウタースプリングのセット長を計算していない。。

通常線間密着しないと聞いているジュリアのスプリング。でも根拠はない。

バルブガイドは、ステムシールとリテーナーが密着しないように1mmガイドを落としているから
絶対問題ないはず。。。

そうなると、もう疑うは、セット長しかないですね。。。

ってことで、徹底的に寸法を測りました!!!

何がいけなくて、こんなにエキゾースト側が、重いのか???

ちなみに、バルブ側セットを入れる前に、カム単体でキャップにセットし、カムをカラ回しして
フリクションを確認していますが、軽〜〜〜く回ってくれています!!!

インテークは問題ないので、エキゾースト側を全部外します。。。

ってことは、バルブステムシールが!!!!!4個共。。。ご臨終ですか。。。(^^;)

6気筒ベンツ用を2セット買っていたので、残り4つ排気側ステムシールがあってよかった!!!

予備のバルブガイドに使わなくなったステムシールを入れてやり、ヘッドの中の状態を再現してみました。

マニアックな画像ですよね〜〜。(笑)

ステムシールがどれぐらいの高さまで挿入されて、どの高さまで来るか?

そういうのを観察しながら測定しました。
排気側に付けるバルブスプリングの線間密着長を測っています。

これは、インナースプリングですね!

バイスにスプリングをセットして、両側は当たり面を均等にするように、ワッシャーを置いています。

スプリングの中心でシックネスゲージの0.03mmが入らなくなった位置を読みとっています。
こちらは、アウタースプリングです。

インナーと同じように測定しています。

そして、すべての寸法と取ったのが、左記のデータです!!!
これを初めから知ってたらな〜〜。こんな回り道しなくてよかったのに〜〜〜。

これも、経験です。(^^;)このHPを知った人は、うらやましいな〜〜。(笑)

寸法は、全て実測によるものです。

一個、一個の製品誤差は考慮していません。

(A)の寸法は、バルブステム飛び出し寸法です。
排気側ですので、ほぼ、42.00mmでシートカット時に調整してあります。

(B)のインナースプリングセット長と、
(C)のアウタースプリングセット長。

および、カムがノーマル値(10.04mm)リフトすると仮定した場合の、線間密着の余裕幅を計算します。







密着長(mm) 1番 2番 3番 4番 最大と最小の
密着長の差
インナーとアウター
セットでの密着長
22.90 23.30 22.30 23.80 1.50mm
※インナーの密着長は、平均20.30mm程度なので、リテーナーの段差を
差し引いても問題ないと言える。


※問題は、Cの長さですね!!
短距離で上から計算しています。(短距離と追加距離は、どっちも実測して誤差を修正しています。)

1.40+7.87+11.23+4.60+6.10+4.75+0.55+1.10=37.60mm

一番線間密着長の大きい所は、4番です。23.80mmあります。ってことは、

37.60mm−23.80mm=13.80mm

13.80mm−10.04mm(ノーマルのカムリフト量)=3.76mm

冷間時は、多くリフトすると仮定して、マージンを10.50mm程度取ったとします。

その時でも、13.80mm−10.50mm=3.3mm

通常、最低でも、1mmの余裕、もしくは、2mmは無いといけないと言われていますね。

ジュリアにこれが当てはまるかどうかは、わかりませんが、計算上は、3.3mm程度あるようです。

一番、線間密着長が短いところなら、4.80mm程度ある予定になります。

インテークは、軽くカムが回るのに、エキゾーストは、堅いし、重いのです。

ならば、ってことで、試してみます。

エキゾーストの4カ所のスプリングシートの上にある「ワッシャー」を全部外して、とりあえず

仮ですので、ステムシールは、外したまま全部をセットしてカムの回り方(フリクション)を

感触で確認します。

すると、すごく軽いのです!!!!!ってことは、たったの0.55mmの厚みのワッシャーが

無くなっただけで、これだけカムのフリクションが変わったことになります。

それでも、インテーク側のフリクションよりは、若干だけ重いんですけどね。。。(^^;)

ここで、選択肢が出てきます。

最大荷重を揃えて組み合わせたスプリング。。。。ワッシャーを外す箇所が出てくると

それだけ、セット長が長くなるため、最大荷重の比率も変わってくるのです。

それとも、フリクションロスをそのままにしてでも、最大荷重を合わせたままにするか。。。。。(*_*)

その結果、フリクションロスは、無視できません!!!ワッシャーを抜きます!!!

線間密着長が大きい所は、2箇所ありました。2番と4番です。

ですので、2番と4番の部分のワッシャーを外します。つまり、その箇所だけセット長が

計算上0.55mm余裕が出たことになります。これが原因でフリクションが重いと判断しました。

意図的に、2カ所をワッシャーを抜いて、今度は、新品のステムシールをセットして

すべて、再度組み付けました。

恐る恐る、カムを回してみます。。。。。。


完璧です!!!(^_^)v

インテーク程ではありませんが、軽く回るようになりました。

軽くとか、重くとか、わかりにくいですが、何度もカムを回した感触は「手」が知っていますので

それを重視して今回の結果となりました。

レース車のように、スプリングセットを10セットとり、すべてのセット長と最大荷重を揃えて

最高の1セットを選択して残りを返品できるほどの贅沢はできませんし。(^^;)

ましてや、買い取って選択するまでのお金もありません。。。(>_<)ですので、これについては、

最大荷重を揃えた。という作業が、少し無駄になってしまいましたが。。。。

あえて、フリクションを重視した選択をしました。。。

プライベーターの妥協として、大目に見てください。。。。<(_ _)><(_ _)><(_ _)>


ちなみに、ステムシールと、リテーナー間は、計算上11.23mmありますので、リテーナーで

ステムシールを壊すことは無いですね!

こんなことなら、OH前のセット長を優先させないで、初めから、インテークもエキゾーストも

バルブステム飛び出し寸法を42.30mm程度にしていれば、いいクリアランスになっていた

んだろうな〜〜〜。っと、ここまで計測してみてやっと、言えることでした。。。。

これを参考にできるジュリアのオーナーが羨ましいです。。。。(^-^)(^-^)(^-^)