オルタネーターとスターターのOH
エンジンOHのついでに、電装系もOHしてみましょう。
と言っても、素人でできる範囲は、限られていますけど。。。(^_^;)せめて、現状を把握し、洗浄やグリスアップ
程度ならできるはずです。
どこまで、確認作業をするか?にもよりますが、オルタネーターは、ローターシャフトからバラすには
プレスが必要になります。プーリーボルトは、エアーインパクトがあったほうがいいと思います。
スターターモーターは、工具があれば、ある程度はバラすことはできます。
基本的には、ブラシが完全に摩耗していれば他の部分も摩耗している。との判断でアッセンブリー交換と
なるらしいです。走行距離目安は、10万キロと言われていますね。
そうは言うものの、とにかくバラして組み付けます。
開けないと始まりません。工具や装備さえあればユーザーレベルでも充分OHの対象となります。
私の場合は、見た目が汚かったので、きれいに再塗装したかっただけなんですけどね・・・(笑)
こんな安易な理由でいいのかな。。。(^^;)(^^;)
プーリーボルトをエアーインパクトで外します。 サイズは、22です。 シャフトには、キーが付いていますので、無くさないようにしましょう。 一つ、一つの部品の状態を把握します。 |
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ボルトから、ファンまでの取り外し順です。 プーリーは、皿型を組み合わせる構造になっています。 スペーサーなどの上下を間違わないように、マーキングか、ポンチで分かるようにしておいたほうが無難です。 |
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リアエンドブラケット側です。 黄色矢印の2点を外すと、ブラシホルダーが取り外せます。 ブラシのみの交換なら、この部分だけを外すだけですので、すごく簡単ですね!ブラシの長さの規定値は、9.5mm以下になったらハンダを溶かして新品に交換です。 緑矢印の取り付けステーは、外してもどっちでも構いません。 |
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接続配線のボルトナットです。リアエンドブラケット側と絶縁させるため一番下の絶縁ワッシャーの位置は重要です。 内部にも、絶縁させるために保護するキャップが付いています。 |
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ブラシホルダーを取り外して、ブラシの突きだし量をチェックしています。突き出し部分だけで11mmありましたので、しばらくは、使用できます。 全長で9.5mm以下なら交換です。 新品のブラシを用意出来ていれば交換してもいい部分ですね! いつでも、すぐ交換できますけどね。 |
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ドライブエンドブラケットとローターセットです。ブラケット間を結合する外側の4本の長ネジを外すと、この状態に引き抜くことができます。 引き抜く前に、それぞれのケースに合いマークをつけておくか、画像で管理しておきましょう。 矢印のベアリングの表面をチェック。錆びなどあれば、目の細かいペーパーで整えます。私は、ピカールで磨きました。 ベアリングには、耐熱性のベアリンググリスを付着させるようにします。 ブラシの接する相手(スリップリング)、矢印の左側2箇所、スジ状になっていますが、極端に段差は出来ていません。なんとかそのままいけそうです。 段差が出来て変摩耗している場合は、キレイに研磨したほうがいいです。 |
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ドライブエンドブラケットから、ローターをプレスで抜きます。 マニュアルでは、プーリーの3つ爪などで、ブラケットを挟むように指示していますが、ケースが割れる可能性があるので、ケース下部全面で力を受けるようにしています。 ローターシャフトには、キーが入っています。圧入時に、スペーサーに押される状態で外れます。 |
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スペーサー(オレンジ矢印)には、入れる方向がありますので気を付けましょう。 ベアリングを交換する場合は、裏側から、ネジ2カ所で止まっていますので、ベアリングリテーナーごと取り外します。 緑矢印部分にガタや損傷が無いか?をチェックします。 中古交換パーツとしてベアリングを持っている場合は交換できますね! グリスアップしておきましょう。 |
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ステーターとダイオードブリッジは、ハンダで接着され、セットになっています。 緑矢印のネジ3箇所を外して、一体で抜き取ります。 その際、ハンダ溶着部分の配線が折れたりしないように、気を付けましょう。 |
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ダイオードブリッジを抜き取ると、(緑矢印)リアエンドブラケットとの絶縁用の保護キャップ(ターミナル)が付いています。 このパーツの紛失に気を付けましょう。組み付けの際も入れ忘れの無いようにしましょう。 |
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ケースを外側で組み付けるロングボルトです。 リアエンドブラケット側で締め込むのですが、私が取り外した状態で、こんなにも無惨の姿で外れてきました。 緑矢印の部分は、ネジ山が潰れています。 黄色矢印部分や他にも、ネジがS字に変形しています。 ケースから抜き取る際も、ネジ頭が偏芯しながら外れてきたので想像できましたけど。。。(^_^;) 同じネジを調達出来ない場合は、ナットを入れて曲がりを修正し、タップダイスで山を切り直して、再利用しましょう。 ケース側がアルミのため、ネジは、ナマクラ(焼きの入っていないボルト)を使用し、ケース側を労るためだと判断しましたけど。。。 どうでしょうかね。使用ネジは全ネジですが、実際は、30mmも山が切ってあれば充分です。 |
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ドライブエンドブラケットと、ステーター、リアエンドブラケットの取り付け位置です。合いマークなどを付けて管理しておきましょう。 私の場合は、ブラケットをブラストするのが一番の目的(笑)でしたので、すべて、分離させる必要がありました。 右側のリテーニングリング、ステーターのコイル部などは、揮発性の高い液で高圧洗浄しています。 エレクトロニッククリーンなどでも洗浄可能と思います。 |
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緑矢印のブラケットは、ブラスト処理(梨地仕上げ)しています。 ステーター外部(赤い部分)は、洗浄液できれいにしています。 黄色矢印の部分は、鉄ですので、ブラスト処理後に、錆びの発生を防ぐために、耐熱スプレーで塗装して、その後、黒染処理しています。 内部は、ベアリング部分を中心に、グリスアップして、現状を把握しています。 新品みたいにきれいになりました。(^_^) オルタネータープーリーボルトは、ファンの爪を固定して、インパクトレンチで締め込んでいます。10kgf・m以下程度です。 数値は、参考程度まで。(間違ってるかも(^^;) |
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続いて、同じようにスターターモーターも分解します。 こちらは、プレスや、インパクトレンチ等は要りませんので、通常程度の工具で充分かな。 取り付けボルトを外します。 |
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ソレノイド側の配線ナットを外して、フリーにしておきます。 エンドキャップのネジは、絶対ナメないように注意して、強く押しつけて慎重に外してください。 |
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エンドキャップ内部です。右から左の順番で外れます。 黄色矢印部分には、耐熱性ベアリンググリースがたっぷり入っています。 もし、入っていない場合は、充分に補充しましょう。 エンドキャップからグリスが漏れるのを、ある程度防ぐためにグリスシール(ラバーシール)が外側にありますので、組み付けの際も忘れずに! 上画像で見える、スルーボルトを2つ外すと、コミュテーターエンドブラケット(リアカバー)は外れます。プラスチックハンマーなどで軽く叩くと外れやすいかもしれません。 |
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プラス側ブラシホルダーを外すためには、4つのブラシの内、2つ(マイナス側のブラシ)を外す必要があります。ブラシは、渦巻き状の板バネのテンションでブラシを押しつける構造ですので、ドライバーなどで押し上げて、ブラシを抜き取ります。 強く押し上げ過ぎて、バネ部を折らないように気を付けてください。 組み付け時に一番苦労する部分でもあります。要領よく作業しましょう。 緑矢印のスリップリングの状態もチェックします。状態は良好です。 ブラシの長さをチェックします。マニュアルでは、全長で12mm以下のブラシは交換になります。う〜〜ん。そろそろ交換だったりします。(^^;) 13mmぐらいです。今回はOKとしておきます。(笑) |
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ソレノイドカバーを外します。外側3点で止まっています。 カバーを止めるネジは、ネジのクビの部分に緩み止め液が使用されていました。 組み付け時は、中強度のロックタイトを使用して、ネジ山部ではなく、クビの部分に付着させて締め込みました。 下部は、ゴム製のラバーでカバーされています。 ソレノイドからくるレバーをドライブピニオンレバーに連結し、イグニッションONでピニオンギアが飛び出す構造になっています。 グリースが乾ききって硬化していますね。 ソレノイド内もサンドブラスト処理し、レバー部分は、耐熱グリースをたっぷり付着させました。 |
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ラバーは、ソレノイド部分とケース側を一体でカバーするようになっています。 断面構造が複雑ですが、間違った方向に組み付けることは少ないと思います。 |
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アーマチュアシャフトは、ピニオン、クラッチ部と一体になっていますが、上部のドライブピニオンレバーが邪魔をして抜けません。 ですから、黄色矢印部分のボルトを外してレバーを先に外してから、ドライブエンドブラケット(ケース)から、外します。 クラッチ部分内部には、グリースが付着させてありますので、クラッチ、ピニオン側は、洗浄しません。 アーマチュア側は、電装系洗浄液で高圧洗浄しました。 赤矢印部分は、十分な耐熱ベアリンググリースアップを行います。ピニオンレバーが、上の赤矢印にきちんと、セットしてケースを締めないといけません。 忘れると、イグニッションONの時に、ピニオンギアが最後まで飛び出さずに、スターターが空回りするようなトラブルになります。 |
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この程度まで分解して、洗浄しました。 ソレノイド内は、ピストン側のみ洗浄しています。 これ以上の分解をする場合は、専門の業者さんにお願いしたほうがいいかもしれませんね。 スターターについても、ケース側のブラスト処理が目的です。(笑) |
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赤矢印。見にくいですが、エンドキャップの内でグリースをシールしています。 装着を忘れないように。 アーマチュアハウジング部分には、大きなプラスネジがケースにありますが、インパクトドライバーでも外れなかったので無理して外しませんでした。 そのまま、洗浄しました。ただし、こちらは、ブラスト処理はしていません。 サンドブラストは、絶対、ケースのみ等、単体の場合のみと考えてください。部品装着時は、不可です。思わぬ部分に粒子が付着していたりして、トラブルの原因になります。 |
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緑矢印の部分のおおきなプラスネジです。 これを無理矢理インパクトドライバーで開けようとすると、ネジ山が壊れたり、ハウジングの変形にも繋がります。 何度かトライして、無理だったら、すんなり諦めましょう。 |
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パーツ洗浄後です。 キレイになっているのがわかるでしょうか??? グリスアップ箇所には、充分補充してやり、組み付けします。 |
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緑矢印部分の単体は、内外サンドブラスト処理後に塗装しています。 水色矢印の、ソレノイド本体とハウジングはブラストしていません。 共に外側のみ、ワイヤーブラシで塗装を剥離し、再塗装しています。 |
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新品のように見た目だけ復活しました。(笑) 中の状態がわかってるので、あとあとのメンテナンスにも、充分対応できると思います。 デストリビューターと、イグニッションコイルは、アウトパルコさんから購入する予定ですので、電装系、点火系はいい感じになるでしょう! エンジンルームは、たぶん見違えるほど綺麗になると思います。 でも、実は、エンジンの内側の方がもっとキレイだったりして。。(笑) なんせ、至る所が「鏡面」ですから・・・(^_^;) |
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ピニオンギアが飛び出し、勢いよく回るか??? をチェックします。要するに、直結ってやつ。。(笑) 組み付けが問題なければ、作動します。 バッテリーからブースターケーブルで配線しています。 もちろん、赤はプラスです。 スターターケース側でアースしています。 プラスは、そのまま、プラス配線側へ。 ある程度大きめの導線をプラスボルトの横から出ている、平形端子に繋ぎます。 その先を矢印のように、プラス側に接触させます。(火花が飛んだりします) すると、勢いよく、ピニオンギアが飛び出して回ります。 ※長時間回し続けないようにしましょう! 飛び出して回り、配線を外すと元に戻るか?をチェックして終了です。 |
見た目の問題で、ついバラシてしまいました。。。理由が不純ですけど。。。
ある程度は、参考になってますでしょうか。。。(笑)
当初、ジュリアには、直流発電機(ダイナモ)DCジェネレーターが使われていましたが、
後期になってくると、主流はオルタネーターへと変更されています。
ダイナモは、電力を発生するための磁界を、自分が発電した電力で供給していますが、
オルタネーターは、電力によって磁界を形成していて、このため低回転でも発電することが
できて小型軽量でも対応できるようになっています。
レースなどでは、余分な電力を必要としないため、小型軽量化も定番チューニングの一つですね。
オルタネーターは、励磁されたローターコイルと直結されたプーリーが、Vベルトからの回転を
利用しエンジン回転力によって回され、ステーターコイル(3相交流を誘起)に交流起動力が発生し、
レクティファイヤー(ダイオードブリッジ)により、直流に整流されて、走行中の電源となります。
レクティファイヤーは、逆方向からの電圧は、ほとんど遮断し、順方向の電圧は、少しでも大きな
電流を流すことができるようになっています。(原理は・・・??(^^;)
ローターは、回転する磁極となり、その両側に磁極があり、電流が流れると片側がN極、もう片側がS極
になり、交互に配置されています。
通常、エンジン回転数の約2倍程度で回転しています。
今回は、壊れたわけじゃなく、点検、再塗装、グリスアップが目的でしたので、抵抗測定や、
レクティファイヤー(ダイオードブリッジ)の導通、巻線間の短絡チェックを除いていますが、
故障している場合は、そういった配線チェックで、どこに原因があるかを突きとめることができます。
詳しくは、マニュアルにも紹介されています。
電気系は、特に苦手な管理人です・・・(笑)だから、旧車は最高です!(爆)