ちょっと、隙間を計ってみようかな。。。

隙間ってのは、カムとバルブリフターの間のクリアランスのことです。

アルファの場合(105系)は、バルブ形状は直動式(直打式)のインナーシム

なんですが、カムとリフターの間のクリアランスってことは要するにタペットの隙間

ってこと。バルブタイミングとも密接に関係するところで切っても切れない関係なのです。

タペットのクリアランスが広いとどうなるか??

狭いと、どうなるか???

簡単にいうと、広いとバルブのリフト量が減る。

バルブタイミングでいうオーバーラップが狭くなる。

バルブの作動角(作用角)が狭くなる。

ってことは、狭いと、この逆のことが言えます。

詳しくは、また分解時に話をしたいと思っていますが、なんでこれを今話すかというと、

今の状態で、クリアランスがどれくらいかな??ってのを計ってみたかったのです。

そんなの、エンジン降ろしてからでもいいんじゃ!?って言われそうですが、

要は、冷間時温間時のクリアランスの差を知りたかったわけ。

冷間時で実測して、温間時で実測してみたいんです。

厳密にいえば、温間時測定中でもエンジンは冷えてくるので完璧な

温間時のクリアランスとは言えないし、誤差も出ると思いますが

自分のジュリアを把握する。という目的では大いに知るに値すると思います。

温間時に実測と言いましたが、エンジンを掛けたまま計る????(馬鹿な)

なんてこと言っているんじゃないですよ。もちろん、カムカバーを開けるので

アイドリング後エンジンを切っての話です。(笑)

あまりに初歩的話で、すみません。

どれくらい、初心者の方に分かるように説明したらいいのか?って迷うんですが

かなり、当たり前のことも書いてみます。それでも分からない場合は、勉強してください。

通常、一般的には、冷間時(クルマが止まっていてエンジンが冷たい状態)と

温間時(アイドリングや走行後水温が80°から90°で油温も適正状態)の

クリアランスの差は、冷間時より、0.05mm程広くなります。

え!暖まったら膨張するから、狭くなるんじゃ??って方は、まだまだ勉強しましょう。

もちろん、バルブが熱によって膨張するんですが、エンジンは全部膨張しているんです。

ってことは、カムシャフトを止めている、ブラケット。およびシリンダーヘッド側もです。

さらに、アルファは、外側すべてアルミ合金製ですので熱膨張率が高いのです。

ですから、バルブの熱膨張など比較にならないほど全体が膨張しているってこと。

理論は、これくらいにして。。。じゃあ、俺のアルファはどうなんだ???ってのを

実証すべく計測してみた。理論は、実測に裏付けされるものである。

ジュリアの場合、冷間時でのクリアランスは、INが0.475〜0.500mm

EXは、0.525〜0.550mmが基準値。

このクリアランスがどれだけ重要かというと、ジュリアの場合、INとEXのカムは

型番が同じなのです。同じカムで作動角を変えて、バルブタイミングをとっています。

もちろん、リフト量にも、作動角にもオーバーラップにも影響します。

どれだけ重要かを書きたいけど、いっぱいありすぎる。。。。

とりあえず、エンジン降ろしていないし、バルブタイミングを測定調整するときに詳しく

説明したいと思います。

わかりやすく表にしてみました。

気温 25° 温間時 アイドリング15分  水温 メーター読みで80° 油圧 適正

インテーク側 冷間時 温間時 エキゾースト側 冷間時 温間時
1番 0.36 0.42 0.06 1番 0.51 0.58 0.07
2番 0.46 0.51 0.05 2番 0.53 0.59 0.06
3番 0.33 0.46 0.13 3番 0.52 0.59 0.07
4番 0.33 0.50 0.17 4番 0.53 0.60 0.07


前に、クリアランス調整してもらったときに、IN側を意図的に規定値よりも少なく

していたため、冷間時は、0.1mmほど狭かった。もちろん、このことが

インテーク側でどれだけ作動角に影響が出ていたかを実測している訳じゃなく。。。

お恥ずかしいかぎりです。こういうことに対して、説明できるように自分のジュリアを

把握したいのです。単なる恥さらしになるかもしれないな。。(^^;)

INの2番がクリアランスが大きいですね。あくまで、調整値が0.34ぐらいだったと

仮定しての話ですが・・・。と言っても、ジュリアの規定値としては、他の1,3,4が狭い

んですけどね。(^^;)

EX側については、ほとんど規定値であったということになります。

ジュリアの場合は、一般的にいう、冷間時と温間時のクリアランスの差が

0.05mmっていうよりは、少し大きめに出るようだ。。ってのが実証できたことでしょうか。

ただ単に、INの3番4番の測定誤差が大きいだけかもしれませんし。。。

この結果を踏まえて、再度クリアランス調整する場合は、誤差が出ないように、冷間時で

規定値通りに調整していきたいと思っています。

それにしても、ジュリアのクリアランスって、でかいですよね。。。INで0.475〜0.500mm。

リフト量がノーマルでも10.06mmあるからかな。。。

バルブステムの突き出し寸法と関係ありそうだな。ノーマルなら問題ないだろうけど。

もともと、ジュリアの場合、ノーマルであって、ノーマルじゃないんですよね。

作用角は280°あるし、リフト量は10mmぐらいあるし。オーバーラップも70°前後あるんですよ。

ですから、クリアランスを詰めるってことは、そのすべてがもっと大きくなるわけで!ってことは、

結果としては、アイドリング(低速〜)がまったく乗りにくいエンジンになってしまいますよね。

これは、実験したくもないかな。。(笑)ですから、クリアランスを規定値にしても

「タペット音が大きく聞こえるから、このエンジンはおかしい。調整できてない」って言う人がいたら、

その人の方がジュリアのエンジンについてわかっていない!と思いましょう。

(温間時はもっとクリアランスは広くなるんだし)

ってことで、いよいよ、シャシーダイナモでチェックしようかな。


余談ですが・・タイミングチェーンが延びてた・・・。調整しましたけどね。。。

エンジン降ろしたら、しっかり診断させて頂きます。人間ドックならぬ、ジュリアドックです!