ウェーバーとデロルト


 105系のアルファに乗る為に避けては通れないもの・・・・・それがキャブ調整です。
当時のアルファロメオにはメーカー分けとして3つの代表的なブランドがあります。
一つはキャブの代名詞とも言えるウェーバー。もう一つが、ソレックス。
そして、最後にデロルトがあります。

 アルファロメオの105系でもほとんどは、ウェーバーが装着されていました。

このコーナーでは、ウェーバーを中心に紹介し、デロルトを間に入れて話していきます。


 まず、エンジンを見たときに目に入るのが、エンジンの形式とキャブでしょう。
「前期型のエンジンにウェーバーか・・・」とか「後期型に、おっ!めずらしいデロルトか・・・・。」
等と思う人も多いはずです。そこからその人がどういう考えで車を仕上げていってるのかを
推理することになるでしょう。たとえば、「キャブは40φではなく45φか・・・
エアクリーナー着けてないな・・・・。」その後、点火系を見て排気系を見てと
ワクワクしながら眺めることでしょう。

 そして、その車が走っても速いとなるとそれはもうワクワクする推理の迷宮へと
足を踏み入れたことになる。そうなると当然自分の車はどこがどう違う???となります。
たとえば、回転が5000以上回らないとか?すんなりと加速しないな〜??とか
でも、実際の原因はいろんな所からのものだったりして
一箇所を直せば全快になるとはかぎらないのです。一応、キャブが原因と仮定して
素人は触ってはいけないと言われる所を触ってみようじゃありませんか!!
あなたの車もここを乗り切れば必ずや全快する車へと近づくことでしょう。
いつまでも、人任せではいけません。自分で触って失敗して元に戻してまた触ってみましょう!!


そもそもキャブってなに??

 俗に言う気化器ではあるんですが、ここでは簡単に空気とガソリンを混ぜて
エンジンに送る所。と言っておきましょう。よりガソリンが燃えるようにする為に
液体のままではなく、より微粒な粒にして空気と混ぜるためにあるのです。

 じゃ・・・そうするためにはどうしたらいいか??そこで調節する穴やネジがあるのです。
大きな穴に変えたり、小さな穴に変えたりネジを廻して穴を小さくしたり大きくしたりするのです。
そのために無数の穴が空いてます。全快への糸口もこの穴の大きさに関わってくるのです。


キャブのセッティングと言ってもいろんなことをします。

     (目次)


セッティングの考え方

 ジェットセッティングの手順としてまずアイドリング系統と加速系統とメイン系統の
3つになるが全域でストレスなく回ってすばやく落ちるようなセッティングを目指す。

 まず、キャブの基本的な全域で影響のでるアウターベンチュリ(以下O/V)について説明します。
ベンチュリとは絞りという意味ですがキャブレターの吸気口のエンジン側に
入り口より小さい筒を設置することにより吸気の通路を狭くすることで吸気の流速を
速めて燃料を吸い出す負荷を高めることにより
高回転型、もしくは低回転型に大まかな調整ができる。

 通常吸い込み口が40ØならO/Vは32Øをセットするのが基本である。
このO/Vが吸い込み口の大きさと近ければ近いほど吸入抵抗は減り
高回転時により多くの混合気が入り出力が上がり伸びていく性格になる。
だが低回転のレスポンスが低下してしまうためにアイドリング系統の
セッティングが難しくなる。これが逆に小さい口径になっていくと
加速感は向上していくが、ある一定の高回転時期で頭打ちする性格になり
面白みが半減してしまう。

 キャブの45ØならO/Vは36Øが基本だがそのあたりは実際乗ってみて
少しづつ微調整してみるのもいいと思います。
O/Vと同じ筒状のパーツでインナーベンチュリがありますが、これはメイン系統のため
のベンチュリでエンジンの排気量により3.5もしくは4.5を選ぶのが一般的と言えるでしょう。


ジェットの組み合わせの考え方

ここでとりあえず、アルファロメオの当時のセッティングを紹介します。
これはウェーバーがキャブを供給する時にカタログデータとして紹介しているものです。

上記のカタログデータはあくまでも参考にすぎません。
そのまま自分の車に装着してもうまくいくとは限りません。

ちなみに、日本の現代車をキャブ仕様に替えてあるタイプや日本の旧車の基本セッティングも
参考に上げておきます。

 ジェットを組み合わせる時は基本的な考え方があります。
たとえば、一気筒に対してのアウターベンチュリのサイズ
(インナーベンチュリは3.5か4.5しかいらないでしょう。)
一気筒当たり400CCなら最高回転数を7000rpmとしてO/Vは36でいいでしょう。
一気筒当たり500CCでも最高回転数を7000rpmとしたら同じくO/Vは36でいいでしょう。
 ただ、実装した上でいうならGTAクラスの高回転型ならDCOE45にO/Vは36
1750GTVと2000GTVならDCOE40にO/Vは32でいいと思います。
レース等を意識するのなら48φにO/Vが40もありでしょう。


アイドリング系統のセッティングの考え方

 アイドリング系統とはアクセルを離した状態での900rpm前後からメインに移る
3000rpmまでの低負圧の時をコントロールする領域です。
アイドルジェット(I/J)の番数とその先にある絞りアイドリングスクリューにより制御する。
I/Jは燃料を計算する穴(ジェットホール)と空気を計算する穴(エアホール)の2つがあり
O/V内の負圧により燃料と空気がI/J内に吸い込まれ、中で霧化して排出される。

 たとえば、50F11と言ったらジェットホール径が0.5mmでエアホール径は1.25mmを
意味する。エアホールの番手としは濃い順にF9,F8,F11ぐらいがあれば十分であると思う。
I/Jの選択時の影響としは、薄いと低回転でゆっくり走ろうとした時(2000回転ぐらい)
に息付きしてしまう。逆に濃い場合は低回転からの発進時にプラグがかぶってしまう。
後は、アイドリングスクリューの閉め増し具合によるものでしょう。
アイドル系統作動図
 スクリューは先端がテーパー状になっていて閉めこんでいくと排出量が減っていきます。
ここでよく初心者がやる決定的なダメージがあるのですが、スクリュー自体が真鍮で出来ていて素材が柔らかいせいで、閉めこんだところから本来、開けていって調整するのですが、すでに閉まっているのにどんどん閉め増ししていってしまい、テーパーの先の形状まで変化させてしまいアイドルの微調整が出来なくなってしまうケースです。
また、それにも気づいていない方もあるみたいです。気をつけてください。
そして、この締め込みからのラフセッティングの出し方ですが、キャブの排ガス対策品と未対策品の違いによりスクリューを開ける量が変わってきます。
対策品は2.5回転ぐらい。未対策品は1.0回転ぐらいです。後は、スムーズに爆発する所を探していきます。


加速系統のセッティングの考え方

 スロットルバルブが開く時(加速時)に急速にアクセルを開くと流速の立ち上がりに
一瞬の遅れが生じる。これを防ぐためにスロットルに連動して機械的に燃料を
供給する装置がある。それがポンプジェットと呼ばれる(P/J)ところである。

 ポンプジェットも一気等あたりの目安がありますが、400ccで40番、500ccで
50番(5.0)として考えていいと思いますが、だいたい40φから48φのキャブであれば45番(4.5)が
あるのでそれで賄えると思います。一気筒当たりが500ccであれば45番までで対応できるようです。
 ここで勘違いする人がでてくのが加速という言葉です。
加速ということは=ターボみたいに急激に作用する機関がキャブの中にあるのかな?
と思う人がいるのです。

 先にも述べたような装置ですので勘違いしないようにしてください。
加速ポンプの燃料供給がエマルジョンチューブやスロー系統と違うところは
混合気になって送られずにガソリンのみがそのままキャブに送り込まれることです。

 エマルジョンは霧化した混合気をシューと送っていますがP/Jはピュッと出るのです。
このP/Jの穴が付いてる所が2種類あるのですがウェーバーはインテークに近い
方に送り込めるようにP/Jの側面に穴が空いてますがデロルトでは2種類あって
下のバタフライに打ち付けて霧化する量を増やすような働くをしながら供給量を
増やすタイプがあります。

 ただ、この場合がエンジン始動時に少し影響します。負圧が掛かってない状態では
バタフライの上に落ちますのでエンジンが掛かりにくくなることです。でも煽る回数を少し
多めにするだけで回避できます。加速系統作動図
 ポンプジェットから一度に供給される量は1cc程度でこれが常にポンプ室に溜まっています。
 アクセルを踏むとポンプレバーが連動してアクセルを踏んだ量だけ引き上げられる。
 アクセルの動きが終わるとレバーの先のピストンが重力によって下がり新たに燃料を押し出しアクセル量に応じて相当量が供給されることになっている。

 ポンプジェットのサイズは4.0で0.04mmの直径となります。
 ポンプジェットより排出される燃料はシリンダー内の容量で決定されポンプジェット自体のサイズが量には影響しません。
ですが排出する時間が違うのです。ですから排出量を変えるとなるとコントロールロッドの
長さを変えポンプピストンのストロークを変えるのが最良のようですが
そこまでする必要はないと思います。
 ポンプジェットのもう一つの役目はポンプピストンがストロークし終わった状態でフロート内の負圧が高まり燃料が引き出されメインジェットの補助的な役目を果たすことです。


メイン系統のセッティングの考え方

 エンジン回転が3000回転以上になりキャブ筒内の流速が高まるとI/V内のメインノズル付近に
負圧が発生する。この負圧によりメインノズルから燃料を供給する機関をメイン系統といいます。

 ここに供給させる燃料はメインジェット(M/J)で計算された燃料とエアジェット(A/J)で計算された
空気がエマルジョンチューブ内で乳化されて非常に霧化しやすい状態になります。
(M/J)および(A/J)は通常二桁あるいは三桁の数字でサイズを表示しています。
130番言えば、1.3mmの穴が開いていることを意味します。

 エマルジョンチューブはホールの大きさと数、位置、チューブの外径、内径によりFナンバーが
付いています。このFナンバーが曲者で、順番どおりに並んでいるわけではないのです。
小さい番手が小さい穴とは限らないのです。ちなみに参考までに言うと、F7、F8、F2、F11、F16、
F15、F9となっています。
 またデロルトの場合は各番手が濃い順に、7772.3と7772.4と7772.5と7772.6と7772.7
のような7772.の後の番号が順番に並んでいます。
 デロルトは順番通りですので解りやすいです。ウェーバーとデロルトの対比ですがWがF11だとDは7772.8番です。WがF15番だとDは7772.7です。WがF16番だとDは7772.6です。WがF2番だとDは7772.5です。WがF8番だとDは7772.4番です。WがF7番だとDは7772.3番です。

 個人的なことですが私が試した感じとしてはF11番でセッティングを出して行くのが
一番よかったみたいです。(参考にしてください。)メイン系統作動図
 M/JとA/Jの相性ですが、ガスが薄いと空吹かしでは良く回るが走ると上のトルクが出ない。

 逆にガスが濃いと空吹かしも良く回らない。メイン系統のセッティングで低回転は全く関係ないのでここを変更してもアイドリングや加速系統を変更することはない。
 しかし、アイドリングや加速系統は高回転時も作用しているのでメイン系統の再セッティングを必要とする。
 いろいろ、一気にジェット類を変更するとまったくわけがわからなくなってしまいます。
ですから、まず自分の車をどういう環境で走らせるのか?を明確にしてそれからキャブのφを決めてO/Vを決めてその後のジェットは少しづつ変えながらデータを取って走りながら自分でロードインプレッションをしその時の感覚をノートしていくと早く理想の走りに近づくでしょう。

 また、走った後のプラグの焼け具合やトルク感、エンジン音、振動音、等も参考に書いて置くと
いいでしょう。今回明記した内容はあくまでもキャブのみについて書いていますが、
実は全快しないエンジンはキャブ意外の所という可能性が高いのです。
まず、点火系などの点検をしてからでも遅くありません。


キャブの重要な機関

テクニカルデータ

アイドルジェット・ウェーバー(RICH)F6-F12-F9-F8-F11-F13-F2-F4-F5-F7-F1-F3(LEAN)
          デロルト(RICH)7850.8-7850.2-7850.7-7850.6-7850.3-7850.1-7850.4
                   7850.9-7850.10-7850.5(LEAN)
エマルジョンチューブ・ウェーバー(RICH)F7-F8-F2-F16-F15-F11-F9(LEAN)
             デロルト(RICH)7772.3-7772.4-7772.5-7772.6-7772.7-7772.8(LEAN)           

 フロート室は燃料を貯めておく部分で中身は水洗トイレのタンクの浮きを想像してください。

 常に同じだけの燃料を供給できるように設計してあり、タンク内の形状も縦横のGを
受けにくい形状になっています。燃料が少なくなるとフロートが下がり付け根の
ニードルバルブから燃料が出てくるしくみです。
ですがあまり乗らない車によく出てくるトラブルでニードルの固着があります。

 車を動かしてないときにニードルが固着してしまい燃料の供給がメイン系統の作動に
追いつかないことです。(少しぐらいは出てると思いますが・・・)普通はフロート内の燃料は
フルの状態で固着してるので走行中3000rpm以上は回らなくなり一瞬どこが悪いのが
解らなくなってしまいがちです。(3000rpmで頭打ちの状態)
空吹かしでも3000rpmぐらいまでしか回さないのでキャブは正常に作動してると
勘違いしてしまうのです。似たような症状で困っているときは各パーツの洗浄を
してみてください。ジェット類の穴もついでにチェックしてみましょう。

 もうひとつは、フロートに穴があいてしまい中に燃料が溜まって沈んだ状態に
なることです。こうなった症状を燃料のオーバーフローと言いますが燃料が
燃料ポンプにより出つづけますのでガスケットや空気孔から燃料が漏れてきて
エンジン内が大変危険です。室内の方までガソリン臭くなりますので注意してください。

 他にはフロートレベルがあります。最下位値と最上位値があります。
ウェーバーの場合、キャブの上部のカバーにフロートが装着されている状態でニードル
バルブ側を上に向けます。その状態でフロートがフリーになっている時にカバーと
フロート上部の間を規定値になっているが測定します。規定値は(8mmです。)

 また、今度はカバー面を上にしてフロートが最下位値まで落ちますのでその時の
カバーとフロート上部の隙間を計ります。規定値は(15mm)です。

 ちなみに、デロルトでは最上値の隙間は15mmで最下値の時は25mmです。

もし、規定値になっていない場合はニードルの付け根にフロートを支える突起が
ありますので慎重にラジオペンチ等で補正してくだい。

 ただし、日本製等のミクニソレックスは外から簡単にフロートレベルを調整できる
ネジがあります。このタイプはフロート付け根を補正する必要はありません。

 他にもニードルバルブのセッティングがあるのですがこれは一気筒あたりが400ccなら
175番で500ccなら200番で充分だそうです。

 キャブに直接は関係無いかもしれませんがキャブ装着車の場合の燃圧ですが、
レギュレターがある場合は目盛は2.5から2.7ぐらいまでに抑えてください。
レース用の電磁ポンプ等はそのままでは燃圧が高すぎます。
アルファの標準の機械式のフューエルポンプならそのままでも問題ありません。
ただし、レース等では燃圧器で管理して電磁ポンプを使用したほうがいいかもしれません。


トラブルシューティング

 ここではもうすでにアルファを持っていて、しかもキャブの調子が今ひとつ・・・・。
と言う方にすこしでも参考になればと思い解決策を挙げています。
全快のヒントになれば幸いです。


トラブルシューティング(全快への突破口)
トラブル項目 症 状 原 因 対 策
●アイドリングが不安定な場合。

●低回転時

●3000rpm以下で不調気味。
●エンジンが冷えている時はそうでもないが暖気後がひどい。 ●アイドルスクリューの戻し量が合っていない。 ●完全に閉めこんだ状態から3/4回転戻した所当たりで回転がスムーズな所を探す。(排ガス未対策品)
●アイドリングジェットのサイズが大きい場合。 ●アイドリングジェットのサイズを下げてみる。
●暖気後は問題ないが冷間時はエンストを起こす。 ●スロー回転が低すぎる。 ●スロー回転を1000rpmにする。
●機械式から電磁ポンプに変更後、暖気に関係なくエンストする。 ●燃圧の上昇によりフロート内の液面が高い。 液面を基準値にセットする。
ニードルバルブの設定を下げる。アイドルジェットのサイズを下げる。
●キャブ付け根付近から「ピヨピヨ・・・ピュピュピュ」と音がする。吹かすと消えるように感じる。 二次エアーを吸っている。
ヘッドとインマニもしくは、インマニとインシュレータ(キャブマウント)との接点の歪み
充分に古いガスケット類を落として、新たにすべての面に薄く液体ガスケットを塗って締め付ける。ガスケットの再利用不可。
●片側のキャブからバタバタ音が出る。 ●左右のキャブのバランス不良。 ●シンクロテスター(同調器)を使ってバランスを取る。エンジン回転1000rpmで目盛4.5ほどを指す。
●スロー回転に戻るのに時間が掛かる。また、早く戻った時はエンストする。 ●スロットルレバーの緩み ●スロットルレバー関係の点検調整。
●アクセルペダルが戻らない。アイドリング回転に下がらない。 キャブスロットルレバーの全開調整不良 スロットルレバー調整が短い。長めにセットし直す。
●空吹かしをするとマニホールドガスケット付近から音が出て時々火が見える。 ●マニホールドの取り付け不良。
●ガスケットの不良。
●マニホールドの締め増し。
●ガスケットの交換。
●急発進すると問題ないがゆっくり走ると症状がひどい。 ●アイドリングジェットのマッチング不良(ガスが薄い) ●アイドリングジェットのサイズを上げる。
●急発進すると問題ないがゆっくり走るとプラグがカブリ、黒煙も出る。 ●アイドリングジェットのマッチング不良(ガスが濃い) ●アイドリングジェットの締め増し
●アイドリングジェットのサイズを下げる。
●3000rpm手前ぐらいでの加速感が遅くなってきた感じがする。 ●デロルトやソレックスではダイヤフラムのガスケット抜けによるガソリン漏れの疑いあり。 ●ダイヤフラムを新品に交換する。
●アイドリングは安定しているが発進時に息つく。(ノッキング症状) ●冷間時にひどく、温間時も少し症状が出る。 ●加速ポンプジェットのマッチング不良。(ガスが薄い) ●加速ポンプを大きくする。
●冷間時より温間時になるにつれてひどくなっていく。 ●加速ポンプジェットのマッチング不良。(ガスが濃い) ●加速ポンプジェットを小さくする。
●中速でのアクセルOFF時 ●キャブ側へ吹き返す音
●マフラー側で「パンパン」と音がする。
●アイドルジェットが薄い。 ●アイドルジェットを濃くする。
 スクリューの再調整必要。
●高回転時

●3000rpm以上で不調。
●1速から3速ぐらいまでは良いがトップで極端に悪化する。(失速する。伸びが無い。) ●燃料ポンプ吐出量不足。
●フロートレベルが低すぎる。
●ニードルバルブの固着。
●吐出量点検、ホンプ交換。
●フロートレベル調整。
●エマルジョンチューブの点検、調整
●バルブ類の点検、洗浄
●3速4000回転ぐらいのベタ踏み状態で、カブルような感覚がある。 アイドリングジェットが薄い。 アイドリングジェットを大きくする。その際、アイドリングスクリューの再調整必要。
●プラグが1本失火しているような症状を起こす。(トルクがない) ●エマルジョンチューブの緩み。
●インナーベンチュリの座りの不良。
(40DCOEでエアークリーナー装着車)
●キャブ脱着時にボルト、ナットの混入の疑い。(高吸圧時にバルブからピストン内に混入の疑い)
●エアークリーナーを取り外し、インナーベンチュリストッパー用のOリングの有無を点検、調整。
●すぐ、エンジンを止めてヘッドのオーバーホール及び点検。
●空吹かしは問題ないが走行すると5000rpm以上回らない。 ●メインジェットが小さすぎる。
●エアージェットが大きすぎる。
●メインジェットを大きくする。
●エアージェットを小さくする。
●空吹かし、走行の両方とも5000rpm以上回らない。 ●メインジェットが大きすぎる。
●エアージェットが小さすぎる。
●メインジェットを小さくする。
●エアージェットを大きくする。

締めくくりとして・・・

 キャブレターが原因の場合、多くの人はディーラーや、車を購入したショップ等にメンテに出す
と思います。ですが、絶対数として旧車が減ってきてる中当然のようにキャブをセッティングできる
業者も減ってくるのです。そんな中で泣き寝入りするわけにはいきません。

 ずっと、自分の車を維持しようと思っているなら自分でセッティングできないと太刀打ちできなくなります。
キャブのセッティング代と点検洗浄で高額なお金を払っている人がいるなら、そろそろ自分で
キャブを調整できるようになりたいと思っているのではありませんか???

 そんな人達に少しでも参考になればと思いました。
キャブのことを知るにはとにかくまず、中古のキャブをバラしてみましょう。

 きれいに洗浄しながら一つ一つの部品を観察してください。どこがどうなっているからどうなるのか??
等自分なりに考えるのです。一つ一つのパーツにちゃんと意味があるのです。
この部品が計算された精密器械であることを実感するでしょう。

 まず、自分の車についているキャブがあるなら、ウェーバーなら蝶ネジをデロルトならキャブ上部のネジ
2つをはずしてメインジェットとエマルジョンとスロージェットの組み合わせから入ってください。

 その後、フロート部分まではずしてみて規定値等調整してみましょう。
アイドル調整は何度もトライしてると一番いい所っていうのが解るようになってきます。
(基本セッティングはアイドル系統のセッティングを参照)

 同調と取るなら簡単な方法としては同調テスターを買ってください。(1万2000円ぐらいです)
アダプターが要る場合もありますので注意してください。(3000円ぐらいです。)
テスターを直接入れられない場合に使います。
(900回転前後で同調器の目盛4、5ぐらいです。)←アルファロメオが基準です。

 それと難しい調整でスロットルリンゲージがありますがこの全開調整(バタフライ全開)や
プッシュロッドを1本でセッティングする事などまだまだ、いろいろありますがそのうち
少しづつ慣れていくでしょう。

 デロルトは頭数が少ないですが、排ガス対策が簡単で排気ガスもきれいですので
一部の人達には愛好されています。が加速系統がキャブの下にありダイヤフラムが
(ガスケットシールと一体になってる)部分が痛みやすくガソリン漏れが起きやすいです
ので装着時は加速レバー付近を時々チェックしたほうがいいでしょう。
 デロルトは比較的アバウトな調整でも全快に近づきやすいですので素人向き。かな?
購入するのは希少品ですので手に入りにくいと思います。
 デロルトはカタログ的には多くのジェット類があるのですが現在となっては希少です。
ウェーバーよりパーツとしての番手が細かくセッティングだせるようです。
 ウェーバーは蝶ネジ部がねじ切れやすいので締めこむときは注意してください。
加速ポンプジェットのバネが劣化しやすいので点検してください。
ウェーバーの排ガス未対策品はアイドル調整が微妙ですのでかなり難しいです。
各、ジェット類が細かくセットできる利点がありますが、それだけ迷宮入りしてしまう
可能性もありますのでセッティングはノート等につけましょう。

 厳密には気象や湿度、高度に影響します。
暑くなれば薄くしたほうがいいし、峠にいけば薄くしたほうがいいし。。。その時々で変わるのです。

 セッティングは苦労ではありません。 機嫌の変わる生き物です。楽しみましょう。(*^o^*)

※2020年、9月 動画をアップしました。3速の部屋にも同じ動画があります。参照ください。

Weber DCOE27をフルレストア


https://youtu.be/yUS4AmW1yU8

12年放置したウェーバーキャブレターをレストアします。 まずは、現状把握し、分解、点検までを紹介。エピソード01